2012 Fiscal Year Research-status Report
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24530550
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Yokohama National University |
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Principal Investigator |
高橋 賢 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50282439)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 産業クラスター / バランス･スコアカード / 戦略カスケード･マップ |
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| Research Abstract |
当該年度は，主に産業クラスターに対するバランス･スコアカードの適用可能性についての文献よる理論研究，そして食料産業クラスターの実態調査を行った。
前者の研究では，クラスター全体の戦略を個々の参加者と共有するための戦略カスケード･マップの適用可能性について検討した。産業クラスターでは，クラスター全体のビジョンや戦略をクラスター参加者が理解･共有できず，事業展開の方向を見失い，クラスター事業が失敗に終わるという状況が見受けられる。本研究では，このような問題点は，戦略カスケード･マップを作成し，クラスター全体のビジョンや戦略を参加者（プレイヤー）にカスケード化することによって克服できる可能性を示した。
後者の研究では，大分県の食料産業クラスター協議会の形成過程と現在の問題点についてインタビュー調査を行った。「おおいた食料産業クラスター協議会」の特徴として，大分県は一次産品が豊富なこと，また協議会形成以前から一村一品運動など，クラスターと同じような活動を行っていたこと，などの状況から，クラスター協議会の設立がスムースにいったということであった。また，クラスター協議会の活動により，それまで弱かった企業間の連携がよくとれるようになったという効果があったということであった。一方で，大分県ではマーケティングが弱い，コスト意識が薄い，という問題があることもわかった。また，大分県の分析を通じて，現在農水省の政策が食料産業クラスターから六次産業化へ転換していることが，各地の食料産業クラスターの方向性に大きな影響を与えることがわかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では産業クラスターへの管理会計システム導入の基本モデルを構築することを目指しいているが，次の2点で大きな進展が見られた。
第一に，戦略カスケード･マップの理論が，産業クラスターにおけるバランス･スコアカードおよび戦略マップの構築に大いに役立ちうることが判明した。これは，産業クラスターにおける管理会計システムとして有力なツールになり得ると考えられる。
第二に，大分県の実態調査により，食料産業クラスターの問題点が明確になったことである。クラスターにおけるコーディネーターの役割，戦略設定の問題，六次産業化政策の今後の影響などの点が明らかになった。クラスター事業の実態の一端を見ることができたことによって，今後導入すべき管理会計システムの要件が明らかになった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては，産業クラスターに導入すべき管理会計システムのモデル化と，各地の産業クラスターの実態調査の継続，そしてコーディネーターに対するアンケート調査を考えている。
管理会計システムのモデル化では，産業クラスターの性質を分類し，特に現在進行中の食料産業クラスターにおけるバランス･スコアカードおよび戦略マップのモデルを構築する。
各地の産業クラスターの実態調査としては，宮崎県，鹿児島県，福岡県の食料産業クラスターの実態を調査する予定である。これら九州各県の食料産業クラスターの実態を比較することによって，管理会計システム導入に必要な要件を明らかにしていくことを予定している。
コーディネーターへのアンケート調査は，Webによるアンケートを予定している。特に，産業クラスターの戦略策定とその共有，実行のモニタリングなどにどのような方策を展開しているのか，ということを中心にアンケートを行い，産業クラスターの戦略に係わる問題点を明らかにしたい。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)
