2012 Fiscal Year Research-status Report
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24530568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 郁子 東北学院大学, 経営学部, 教授 (90306051)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業間関係 / 原価態様 / 顧客関係性 / サプライチェーン |
Research Abstract |
課題1:小売業における顧客関係性の評価と戦略的管理の利用可能性 2012年度は日本の全小売業を対象にアンケート調査を行う予定であったが、東日本大震災の影響がまだ残っていること、私鉄交通のポイント付き電子マネーが共通化することなどから、1年先送りすることとなった。一方で、東日本大震災で被災した企業の復興状況について、被災地宮城県を中心として聞き取り調査を行った。アンケートの対象となる小売業の状況については、仙台商工会議所などから被災状況を聞くことができたが、沿岸部ではまだ仮設店舗での営業をしているところが大半であることがわかった。東日本大震災においてはポイント付き電子マネーはほとんど役に立たず、キャッシュが顧客にとっても小売業者にとっても重要であったことが判明し、被災企業の聞き取り調査が2013年度に行うアンケート調査の質問項目として役立つものとなった。 課題2:企業間関係における顧客関係性が企業価値・コスト構造に与える影響 企業間関係が企業価値、原価態様に与える影響について、日本の製造業のデータを用いて調査した。 企業間関係の強さがコストドライバーとしてどのように作用するかについて研究する中で、組織間関係構築の要因であるコスト戦略や差別化戦略が財務的結果にどのように関係するかを検討する必要が生まれた。そこで、東日本大震災でコスト戦略をとる企業がサプライヤーの被災によってどのような影響を受け対応したかについてを聞き取り調査をおこなった。また、戦略選択の要因となる企業ライフサイクルが企業財務にどのような影響を与えるかについても財務データを用いて実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響が2012年後半になっても残り、正確なデータを収集できないと判断したため、当初実施する予定であったアンケートを2013年度に延期せざるを得ない状況が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,課題1に使用する質問票の送付と結果の分析および企業インタビューを行う。これら2つの研究に使用するデータは企業業績(財務データ)を除いて共通なため,2つの研究は同時に行う。また,質問票調査は7月~8月にかけて行う予定いる。 課題2については,平成24年度同様,積極的な対外発表を行いながら,データの収集・分析を行うことで,課題の解明を行っていく予定である。この課題については,国外学会でより積極的に議論されているものも多く関係するので,国外学会での発表と,平成25年度に引き続き海外研究協力者からの協力を得ながら行っていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①アンケート調査の作成・送付・集計作業のための費用、②対外発表および論文投稿のための費用(旅費を含む)③海外学会・ジャーナルへの投稿のための翻訳・校正費用、④研究打ち合わせのための旅費、⑤企業ヒヤリングのための旅費を考えている。
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