2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530568
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 郁子 東北学院大学, 経営学部, 教授 (90306051)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 顧客関係性 / ロイヤリティプログラム / 下方硬直性 / CVP |
Outline of Annual Research Achievements |
【課題1】小売業における顧客関係性の評価と戦略 2011年の東日本大震災の発生によって延期していた、ロイヤリティプログラムに関する実態調査を小売業者に対し実施し、その回答について分析した。その結果、ロイヤリティプログラムは、電子マネーの発展とともに多くの企業が取り入れており、プログラムの効果の予測を行いながら導入しているということがわかった。しかし、プログラムの導入によって予想した通りの結果が得られているという企業は少なく、かつある程度の財務数値との結び付けができているものの、戦略的な利用には至っていないということも明らかになった。これらの結果については、回答した企業に対して報告書という形で公表している。そして現在は2009年に同じく行った質問票分析の結果と比較研究を行っている。なお本調査の結果は、論文化し近々投稿する予定であり、今年度の計画をほぼ遂行することができた。 【課題2】企業間関係における顧客関係性が企業価値・コスト構造に与える影響 企業間の顧客関係性が企業価値やコスト構造に影響を与えるとすれば、それはどのような現象として現れるかに着目し、コストの下方硬直性とコストの下方硬直性を考慮したCVP分析についての新たな研究の視点を見つけた。それによって、コスト戦略や差別化戦略、ライフサイクルなどの顧客関係性の構築に関連する他の変数とコスト構造に与える影響を調査した。その結果、企業のコスト構造に与える影響は、ライフサイクルや企業戦略の方が、顧客関係性よりも強い影響があることが明らかになった。これらについては、Sasaki,I., A.Shiiba, and K.Takahashi(2014)として国際学会で発表している。現在はこれらについてデータを追加し再分析しつつ論文化しているところであり、今年度の計画をほぼ達成することができた。
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