2012 Fiscal Year Research-status Report
国際会計基準(IFRS)導入に関するわが国の国家会計戦略及び制度設計に関する研究
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24530588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
平松 一夫 関西学院大学, 商学部, 教授 (40098364)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際会計基準(IFRS) / 会計戦略 |
Research Abstract |
(1)国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方に関する研究:上場企業の連結財務諸表にIFRSを導入する場合の準備についての研究、および、主要国・地域におけるIFRS導入対応と会計戦略についての研究を遂行した。 (2)国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響(特に税法との関連)に関する研究:主要国・地域におけるIFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況・プロセス等に関する研究を遂行した。 上記(1)と(2)の研究に関連して、2012年度には、Sidney Gray教授(オーストラリア・シドニー大学、世界会計学会副会長)、Inmang Song教授(韓国・成均館大学、元韓国会計学会会長)をそれぞれ招聘し、既にIFRSを導入しているオーストラリアおよび韓国において、上場企業の連結財務諸表にIFRSを導入するにあたっての準備に関する状況、IFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況とプロセス、(特に韓国における)国家会計戦略の内容および進捗状況等について講演いただいた。その後、講演の詳しい内容について討論する機会を別に設け、討議を行い、さらに、関連する資料・データ等も頂くことができ、研究をまとめる上で大変参考になった。また、オーストラリアでは、全ての組織にIFRSが導入されているため、そのメリット・デメリット、会計情報の質と量、IFRS導入による利益・純資産への影響等についても討議を通して知ることができ、有意義であった。 (3)非上場会社の会計制度に関する研究:「中小企業のための国際会計基準(IFRS for SMEs)」の研究については、IFRS for SMEsのこれまでの経緯、最新の動向等について整理をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究代表者が、国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方、および、国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響に関する研究を進め、その成果を講演・執筆等を通して社会に還元することができた。 2.既にIFRSを導入している韓国およびオーストラリアの会計研究者でかつ世界的に活躍されているSidney Gray教授(オーストラリア・シドニー大学)とInmang Song教授(韓国・成均館大学)を招聘することによって、両国がIFRS導入を通して学んだ経験(上場企業の連結財務諸表にIFRSを導入するにあたっての準備に関する状況、IFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況とプロセス等)を知ることができたことは有益であった。また、韓国における国家会計戦略の詳細と進捗状況等を知ることができたことは、わが国の会計戦略を構築する上で大変参考となった。さらに、IFRS導入による利益・純資産への影響等については、わが国でIFRSが導入される際にも起こりうる影響であり、これらと各会計基準との関連についても今後検討する必要性を感じた。 3.本研究テーマに関連して、2013年2月に開催されたIAAER学会期間中に、Gary Sundem教授(アメリカ・University of Washington教授、IAAER会長)、Fabio Frezatti教授、(ブラジル・University of SaoPaulo、IAAER副会長)にもインタビューを行うことができたことは大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方に関する研究:主要国・地域におけるIFRS導入対応と会計戦略についての研究、および、わが国の国家会計戦略のあり方に関する研究を遂行する。海外研究協力者と協力して資料・データ収集も進める。 (2)国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響(特に税法との関連)に関する研究:単体財務諸表においてIFRSを適用する場合の税務上の障害に関する研究を遂行する。海外研究協力者との協力による資料収集・情報交換、IFRS導入と税法との関連についての研究についても進める。 (3)非上場会社の会計制度に関する研究・主要国・地域における非上場会社の会計制度に関する研究とわが国の非上場会社の会計制度のあり方の研究:制度設計に関する研究、海外研究協力者との協力による資料収集・情報交換、わが国の非上場会社の会計制度のあり方についての研究を遂行する。 上記(1)(2)(3)のテーマに関連して、海外研究協力者であるBelverd E. Needles, Jr.教授(アメリカ・DePaul University、世界会計学会顧問・元会長、アメリカ会計学会元副会長)、および、Marian Powers教授(アメリカ・North Western University、元全米女性会計協会会長)を招聘し、米国でのIFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況、米国の会計戦略、米国企業の対応状況について講演いただく予定である。また、Donna L. Street教授(アメリカ・University of Dayton 、IAAER理事、前会長、アメリカ会計学会会長)、および、Tony Kang教授(アメリカ・Oklahoma State University、IAAER副会長)にも本研究テーマに関するインタビューを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.研究旅費 ・2013年6月にルーマニア・ブカレストで開催されるIAAER学会に参加し、本研究の研究協力者であるTony Kang教授(アメリカ・Oklahoma State University、IAAER副会長)に本研究テーマに関するインタビューを行う予定である。 ・2013年8月にアメリカ・アナハイムで開催されるアメリカ会計学会に参加し、本研究の研究協力者であるDonna L. Street教授(アメリカ・University of Dayton 、IAAER理事、前会長、アメリカ会計学会会長)にも本研究テーマに関するインタビューを行う予定である。 2.謝金 海外研究協力者であるBelverd E. Needles, Jr.教授(アメリカ・DePaul University、世界会計学会顧問・元会長、アメリカ会計学会元副会長)およびMarian Powers教授(アメリカ・North Western University、元全米女性会計協会会長)を招聘し、米国でのIFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況、米国の会計戦略、米国企業の対応状況について講演いただき、また、資料・データ等も提供していただく予定である。 Belverd E. Needles, Jr.教授およびMarian Powers教授は、当初の研究計画では、2012年の秋に招聘する予定であったが、Belverd E. Needles, Jr.教授・Marian Powers教授のスケジュールの都合により来日の予定が変更されたため、2013年度に招聘することとなった。そのため、2012年度の直接経費を一部2013年度に繰り越し、2013年度に謝金等として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)