2013 Fiscal Year Research-status Report
国際会計基準(IFRS)導入に関するわが国の国家会計戦略及び制度設計に関する研究
Project/Area Number |
24530588
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
平松 一夫 関西学院大学, 商学部, 教授 (40098364)
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Keywords | IFRS(国際会計基準) / 中小企業版IFRS / 国家会計戦略 / IFRSの任意適用 |
Research Abstract |
(1)国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方に関する研究:何本かの論文を執筆して見解を公表し、また講演会や国際シンポジウムなどで、研究者や実務家と意見を交換した。さらに、International Association for Accounting Education & Research(IAAER)の会長として、世界的に著名な研究者や各国学会会長などと、国家会計戦略のあり方について議論してきた。 (2)国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響(特に税法との関連)に関する研究:講演やシンポジウムを通じて見解を示し、産業界・学会・職業会計専門家の方々との議論を行ってきた。 (3)非上場会社の会計制度のあり方の研究:研究生とともに中小企業版IFRSの研究や主要国・地域の非上場会社の会計制度に関する研究を継続して行ってきた。 上記テーマに関連して、計画通り、海外研究協力者を招聘し、米国でのIFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況、米国の会計戦略、米国企業の対応状況について複数の大学で講演していただくとともに、意見交換をした。また、サンアントニオで開催された学会の機会等を活用して、海外研究協力者等と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究代表者が、国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方、および、国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響に関する研究を進め、その成果を複数の論文に執筆し、また、IAAER会長として世界各地で複数回に及ぶ講演や公開シンポジウムを実施し、研究成果を社会に還元することができた。 2.IFRSをめぐる議論で世界をリードするアメリカの研究者、2013年から既にIFRSを導入している台湾の研究者をそれぞれ招聘するとともに、IAAERやAAA(American Accounting Association)において、世界各国の研究者と、このテーマについて議論をすることができた。 3.IFRSの任意適用に向けたわが国の考え方を、IFRS設定団体のIASBの元理事を迎えて講演会を実施し、聴衆として参加した職業会計専門家や研究者等とも意見交換することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)国際会計基準(IFRS)への対応を含むわが国の国家会計戦略のあり方に関する研究:これまでの研究でカバーされていない国・地域(特に新興国)のIFRS導入対応と会計戦略についての研究、および、それらがわが国の国家会計戦略のあり方に与える示唆について検討する。海外研究協力者とも協力して資料・データ収集も引き続き進める。 (2)国際会計基準(IFRS)導入に伴う国内制度への影響(特に税法との関連)に関する研究:海外研究協力者と共同で資料収集・情報交換を進めるとともに、IFRS導入と税法との関連についての研究を継続する。 (3)主要国・地域における非上場会社の会計制度に関する研究とわが国の非上場会社の会計制度のあり方の研究:これまでの研究でカバーされていない国・地域(特に新興国)の非上場会社の会計制度を研究し、わが国のIFRS導入対制度設計のあり方に与える示唆について検討する。海外研究協力者と協力して資料収集・情報交換を引き続き行う。 上記(1)(2)(3)のテーマに関連して、5月に、既にIFRSを導入している台湾の元会計学会会長であるYang-Tzong Tsay台湾国立大学名誉教授、同じく既にIFRSを導入しているオーストラリアのLanita Winataグリフィス大学講師をお招きし、IFRS導入に伴う国内法・規制の見直し状況、国家会計戦略などについて講演いただく予定である。また、11月にイタリアで開催されるIAAER世界大会に参加し、Donna L. Street教授(アメリカ・University of Dayton 、IAAER理事、前会長)および Gary Sundem教授(アメリカ・University of Washington教授、IAAER元会長)らに、本研究テーマに関するインタビューを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年5月2日~3日に開催され、参加を予定していたEuropean Accounting Association Annual Meeting 2013 (at Paris-Dauphine University,France)への海外出張を、健康上の理由により直前で取りやめたため、当該海外出張に要する予定であった出張費を次年度に繰り越すこととした。 2014年8月に開催されるAmerican Accounting Association Annual Meeting 2014(at Atlanta, USA) への海外出張費用に充当する予定である。
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