2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530590
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
伊藤 公一 甲南大学, 経営学部, 准教授 (30403306)
|
Keywords | 監査品質 / 信用財 |
Research Abstract |
IAASBによる監査品質のフレームワークの検討が行われており、その内容を確認した。 経営者に対する批判的態度が監査の品質の中核となるとの認識にもとづいて日本会計研究学会において学会発表を行った。 監査品質を何らかの指標によりとらえようとする研究は、インプット、プロセス、結果(財務報告の品質や監査報告書)、および背景要因に関する指標によって監査品質をとらえようとしてきている。このような視点から監査人の機会的行動の抑制は困難であると思われる。 監査人が提供する監査業務を信用財とみなすことにより、情報利用者側から見た監査品質の特性をとらえることが可能になることが分かった。そのため、これに関連する先行研究のレビューを行い、引き続き信用財の提供に関するゲーム理論を利用したモデルとその分析に関する先行研究の調査を進めている。得られた知見の一部は、「信用財としての監査の品質と監査人の戦略的行動」(『甲南経営研究 第54巻第3・4号』(2014年3月)81-105頁。)において公表している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、ステークホルダーごとの監査品質の認識指標を先行研究レビューにより明らかにし、これに基づいてステークホルダー間の利害対立部分を明確化し、全体最適を目的とする場合に望ましい相互関係の在り方を考察する予定であったが、監査品質の認識指標については先行研究レビューにより明らかになったものの、全体最適を達成するために望ましい相互関係の在り方の考察までには至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
全体最適を達成するための相互関係の在り方を分析するためには、まず、全体最適と部分最適の関係の分析を行う必要がある。そのため、ゲーム理論の分野において明らかになっているこれに関する知見を明らかにする必要がある。 今年度の規制当局が監査に対する規制を行う際に考慮すべき事項の検討は、この分析を含めて行う計画である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額55,507円が生じた理由は、発注のタイミングの都合によって、入荷が次年度にずれこんだためである。 すでに発注の物は入荷と検収が終わり、現時点で手元に来ている。今年度は計画通り執行予定である。
|
Research Products
(2 results)