2013 Fiscal Year Research-status Report
わが国企業の経営活動の中国展開とコスト・マネジメントのハイブリッド化の実態と課題
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24530592
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
井上 信一 岡山商科大学, 経営学部, 教授 (10104704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
于 琳 岡山商科大学, 経営学部, 准教授 (60554003)
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Keywords | 日系企業 / 中国企業 / インドの企業 / 台湾の企業 / 経営環境 / 比較研究 / コストマネジメント / 管理会計 |
Research Abstract |
本年度は次のような研究を行った。1)これまでの研究の整理と資料の収集を継続、2) 名古屋大学で開催された国際学会(第9回アジア太平洋管理会計研究学会:APMAA)に参加、アジア諸国の会計学者との交流や関連資料収集、3) 日本経営学会、日本管理会計学会、日本会計研究学会に参加、資料収集を行った。 海外調査については、台湾(中華民国)台北市でPANASONIC台湾、CWT物流会社の工場見学と面談調査を行った。5)嘉義市ではNAG(日東紡ASCOガラス繊維(株)へ質問票に基づく面談調査を実施した。また国立中正大学系家学部では黄徳瞬教授(管理会計論)との日本・台湾・中国(大陸)企業のマネジメントとグローバル管理会計の最近の課題について意見交換と関連資料収集を行うと同時に、社会人・大学院生対象にリサーチ・セミナー「日本的管理会計の特徴と課題」を行い、日本企業と台湾企業のマネジメントと管理会計の異同と両岸関係について討議・意見交換を行った。5)日本と台湾双方の客員教授(APU、拓殖大学、輔仁大学等)の陳世宗教授と、日本企業、台湾企業、中国(大陸)企業のマネジメントとコストマネジメントの異同とその連携と相互交流の在り方について意見交換と資料収集を行った。 6)インド共和国デリー市で、ネルー大学、インド国立公共財務・政策研究所と香川大学共催の「公共財務・と経済政策」に関する国際シンポジュームに参加・資料収集をすると共に、7)インドのコンサルティング企業(大規模・国営企業:Engineers India Limited)と中堅企業(ドイツとの合弁企業: Lahmeyer International India Pvt. Ltd)のトップマネジメントへの面談調査を行った。 8)JETROニューデリーで、日系企業のマネジメントと管理会計(業績評価、国際振替価格)の面談調査と資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定どおり進行している。ただ最近の東アジアにおける政治的・経済的状況の激動の影響もあり、海外調査については、中国大陸の日系企業の調査を直接するのは最終年の次年度に先送りした。その代わりに、マクロ的な視座から、中国企業の特徴を比較研究するため、二つの海外調査を行った。一つは、中国大陸進出が世界で実質的に最も多くまた特別な関係にある台湾(中華民国)の日系企業及び台湾企業(NAG、PANASONIC,CTWなど)の面談調査とヒアリングを行った。同時に日本、中国大陸、台湾の大学の客員教授かつコンサルタントの陳世宗教授、中正大学の黄徳瞬教授(管理会計論)と当該テーマについて討議・資料収集を行なった。 もう一つは、BRICsのリーダーとして最近急速な経済発展をしているインド共和国(巨象)の経済成長についての国際会議に参加、資料収集と同時に、企業の経営環境、コンサルティング企業(国営大規模企業(Engineers India)とドイツとの合弁中堅企業(LI))への経営管理、管理会計の特徴と課題について面談調査を行った。またJETROニューデリー事務所への日系企業(インド進出)の経営活動の実態にたういてのヒアリングや資料収集を行うことにより、これまでの中国企業のやり方との相違点などを、比較研究・資料収集することができた。そのことにより初年度とは異なるパースペクティブからの比較研究や文化的な相違と影響(国民文化、企業文化)をベースに比較理解が可能になった。同時に国家指導の中国的マネジメント、文化的視点の意義と特性を、相対的に理解することが可能になった。 また中国企業の経営環境や管理会計の研究については、これまでのわれわれの調査研究とともに、共同研究者の継続的な実態調査、国際学会の報告資料や諸研究機関の文献資料収集(インターネットと紙ベースの両方)を行うとともに、比較分析を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はプロジェクトの最終年度なので、中国(大陸)の日系企業への面談調査(上海近郊を中心に)に研究調査を行い、これまでの結果を最終的に報告書の取りまとめ予定している。また同時に、必要に応じて、東アジア(韓国など)の日系企業への調査も現地の研究者とも相談しながら、可能であれば行い、東アジアの視点から研究テーマの比較研究を計画している。ただ日本、中国、韓国をめぐる政治、経済、文化的交流が流動的で微妙な状況にあるので、現地の研究者、日系企業、研究調査機関とも緊密に連絡を取りながら、当初の研究目的が達成できるように、状況に応じて調査研究をしたい。研究チームで充分相談・検討しながら、面談調査が幾分の困難が予想される場合には、アーカイブ・スタディ、文献研究や外延的な研究をも交えながら、本来の研究の趣旨が達成できるように臨機応に研究対応をしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定より経費の有効活用ができたため。 次年度の交付金額に加えて使用する。
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Research Products
(2 results)