2016 Fiscal Year Annual Research Report
Practical Wisdom and Logistics Support Logic for Voluntary Activities after the Great East Japan Earthquake
Project/Area Number |
24530613
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 亮 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40313788)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 社会学 / 災害 / ボランティア / 支援 / 後方支援 / 実践知 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、4月に熊本地震が発生した。被災地入りした災害ボランティア団体の要請に従って福岡の大学関係者に足湯ボランティア隊派遣の打診を行った。また、5月の連休明けからボランティアが激減しているとの情報から、熊本や福岡の大学を回り、支援のネットワークを構築する可能性を探った。これらはいずれも東日本大震災で学んだ後方支援に関する一種の社会実験としての意味を持つが、首尾よく被災地へボランティアを送る仕組みができた大学と、支援そのものより現地の状況報告を中心とした情報共有にとどまる大学とが生じた。大学間の差が生じるのは、国立と私立といったいくつかの条件の違いによるところが大きいと考えられるが、今後も各地で大規模災害が発生しうる可能性を考慮すると、後方支援も含めた支援の連携づくりをどのように構築するか、検討が必要とされる。 継続してきた復興グッズ・被災地グッズについては、団体連携会議主催の共同販売会が7月と1月に開催され、参与観察を実施した。参加団体の一部では、補助金の打ち切り等で活動自体が停滞していることから販売会への参加を見送る例も出てきており、前年度から問題となっている補助金に頼らない支援のあり方が実践的課題として重要性を増してきていることが確認された。また、被災地に近い地域が支援体制を自立的に組めるよう、外部支援は徐々に撤退していくことが必要となるが、復興グッズ・被災地グッズの連携会議でも東京大学被災地支援ネットワークがどのタイミングでどのように盛岡の団体に役割を譲り渡していくかが問題となっていた。これについて、1月の販売会の準備段階から、会場となる百貨店との打合せや広報の役割を移行する試みをしたが、必ずしもうまくいかず、生じてしまった依存体質をいかに克服するかという課題が確認された。支援論の一部に撤退論を組み込む必要があることを示唆している。
|
Research Products
(2 results)