2012 Fiscal Year Research-status Report
地域の居場所「コミュニティ拠点」に関する社会学的研究
Project/Area Number |
24530617
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
眞鍋 知子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (70320025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50293329)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | コミュニティ拠点 / コミュニティカフェ / 地域の居場所 / 地域コミュニティ |
Research Abstract |
1.コミュニティ施設やコミュニティ空間など地域社会学におけるコミュニティ拠点に関する先行研究を検討した。生涯学習論など他の学問領域の研究成果からもコミュニティ拠点に関する先行研究を検討した。 2. 地域の居場所「コミュニティ拠点」として考えられるものについて析出した。 3.コミュニティカフェの全国的な中間支援組織の動向を把握するため、公益社団法人長寿社会文化協会(WAC)が設置した「コミュニティカフェ全国連絡会」事務局への聞き取り調査を実施した。また、先進事例である横浜市のふらっとステーション・ドリームを運営するNPO法人代表者への聞き取り調査や、長崎県五島市の移住者のためのコミュニティカフェ、仙台市の障がいのある人の就労支援のためのコミュニティカフェなどの聞き取り調査も実施し、全国的な動向に注視しつつ、コミュニティカフェが、社会的課題を解決するためのコミュニティ拠点となりうるための可能性や課題を探った。 4.石川県内のコミュニティカフェ、金沢市「Zenrin Cafe」と白山市「なつかし家」について、継続的に参与観察を実施し、随時、運営者や利用者に聞き取り調査を実施した。 5.被災地の居場所づくりとして宮城県石巻市に「市民福祉団体全国協議会(市民協)」が建てた「いしのまきハウス」を訪問し、運営母体のNPO法人「まちの寄り合い所・うめばたけ」の会員や、石巻市内の仮設住宅でコミュニティカフェを運営する諸団体の代表者に聞き取り調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は居場所づくりの実践に関する現地調査に注力し、石川県内をはじめ、全国各地の実践的な事例について聞き取り調査等を実施することができた。高齢者以外にも、被災地の仮設住宅に住む人、障がいのある人、離島への移住者など、さまざまな社会的課題を持った人びとのコミュニティ拠点についての事例を蓄積し、その重要性と課題を明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度から継続して、1.全国的動向調査、2.石川県調査、3.被災地調査に取り組むとともに、4.コミュニティ拠点の変遷過程についての文献調査を実施する。 1.析出されたコミュニティ拠点すべての変遷過程について明らかにするために、史資料を渉猟する。これにより、コミュニティ拠点に関する歴史的な変容についても把握する。 2.コミュニティカフェの中間支援団体の研修会や協議会に参加するなど全国的なコミュニティカフェの動向を把握するとともに、事務局スタッフや参加運営者等への聞き取り調査も実施する。 3.石川県内のコミュニティカフェに継続的に参与観察を実施し、随時、運営者や利用者に聞き取り調査を実施し、実証データを蓄積する。 4.被災地のコミュニティカフェに参加し、利用者の聞き取り調査を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は、実証例の蓄積はできたものの、理論的研究に若干の遅れが生じ、またそのための書籍購入が予定通りには進まなかった。 次年度は、現地聞き取り調査の分析を進めながら、そこで得られた知見を理論的に検討していく作業を行う。 また、質的データを処理するためのソフトウェアを購入する予定である。
|
Research Products
(8 results)