2012 Fiscal Year Research-status Report
子育て・子育ちのジェンダー関係とネットワークの日韓比較:多様化と格差拡大の中で
Project/Area Number |
24530620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20242894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 キョンウォン 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90263425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子育て・子育ち / ネットワーク / ジェンダー / 日韓比較 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
2012年度は、先行研究および統計資料等の検討および日韓の地方都市における予備調査を行うことが目標であった。 科研テーマにかかわる先行研究理解の一環として、2012年12月に京都において公開研究会を開催し、小林和美氏(大阪教育大学)をゲスト講師に迎え「韓国における早期留学の変遷―統計分析を中心に―」というテーマの研究報告をめぐって、議論と情報交換を行った。また、2013年3月に韓国の昌原市、大邱広域市、春川市で行った予備調査において、各地方都市自治体の統計資料および子育て・子育ちに関する施策資料を蒐集した。 予備調査は、日本においては岡山県高梁市(2013年1月)および愛知県刈谷市(2013年3月)で、幼稚園(高梁市)、子育て支援センター(刈谷市)、行政の子育て支援担当者への訪問聞き取り調査を実施した。韓国においても、地方都市におけるヒヤリングを行った。韓国の予備調査において当初の計画から変更した点は、昌原市を調査地に加えたことである。産業都市である昌原市を加えることで、日本の調査地である愛知県(刈谷市および名古屋市で実施予定)との興味深い比較対照ができると考えられる。それぞれの市において、研究協力者の協力を得て、オリニジプ(保育所)および市庁(市役所)担当者の訪問聞き取り調査を行った。少子化とジェンダー平等政策が進展する中、職場保育所が急速に充実していること、その中で、「家族の果たすべき役割」について保育の専門家の間で危惧の念がもたれていることなど、性別役割分業が維持されてきた韓国において、ジェンダー秩序に変容の兆しが生じつつあると考えられた。 予備調査を行いながら各地域の共同研究者と、2013年度に行う本調査について意見交換を行い、各地域において、片働き、共働き、一人親、国際結婚など、多様な家族を対象にしたインテンシブ・インタビューについての基本方針を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、2012年度は当初の予定通り、先行研究および統計資料等の検討および、日韓の地方都市において予備調査を行った。おおむね計画どおり、順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、韓国の昌原市、大邱広域市、春川市において、乳幼児を育てる親を対象にしたインテンシブなインタビュー調査を行う。子育て・子育ちをめぐるジェンダー関係とネットワークに関する半構造化インタビュー項目を韓国の共同研究者とEメールで打ち合せをしながら作成し、各地域において、多様な子育て家族を対象にしたインタビュー調査を実施し、インタビュー調査データを整理する。あわせて2012年度に引き続き、科研テーマにかかわる研究動向の把握と情報交換の目的で、テーマに関連する研究を行っている研究者を招いて公開研究会を開催する。 2014年度は、日本の名古屋市および刈谷市、岡山市および高梁市において、韓国と同様のインタビュー調査を行う。さらに、2013年度に実施した韓国のインタビューデータとあわせてデータを整理し、結果の分析と解釈を行う。 また、2014年度中に、中間段階での成果公表を行う。その際、韓国の共同研究者を招聘し、共同で成果公表を行うとともに、日本の調査地におけるフィールドワークを一緒に行い、得られたデータについての議論を深める。 これら一連の研究成果をまとめた報告書を2014年度中に執筆し、報告書を刊行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度に38980円の残額が生じた。おおむね計画通り予算を執行したが、調査日程の見直しを行った結果、予定額以下で調査を行うことができたため若干の残額が生じた。2013年度に韓国における本調査を実施するにあたって、調査を充実させるために、優先的に経費を使用していく。
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Research Products
(3 results)