2014 Fiscal Year Annual Research Report
子育て・子育ちのジェンダー関係とネットワークの日韓比較:多様化と格差拡大の中で
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24530620
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20242894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 キョンウォン 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90263425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子育て・子育ち / 日韓比較 / ジェンダー / ライフコース |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度に行った主な仕事は、①日本におけるインタビュー調査の実施、②韓国における補充インタビューの実施、③学会、研究会における成果公表である。 2014年10月から2015年3月に愛知県において、子育て期の人を対象にしたインタビュー調査を実施した。協力いただいた方は、11ケース、男性3名、女性9名(1ケースは夫婦)であった。12名のうち外国籍の人が2名(夫婦)である。女性の仕事の状況は、フルタイム3名(育児休業中)、無職6名である。インタビューを通して暫定的にではあるが、下記の事が考察された。①育児休業制度の充実によって、育児休業を取得して子育てに専念する期間をもつことが、現代の子育て期の一つのパターンである。このことには、職場復帰を約束されて子育てを満喫できる面と、性別分業を強化する面の両面がある。②専業主婦女性において、子育て役割の母親への集中傾向がみられ、そのことが課題として言語化される傾向がある。③妻が専業主婦である男性は、育児をもっぱら妻に任せる傾向にあるが、「妻にやってもらっている」という語りに象徴されるように、父親の子育て役割についての認識は表明される。④親同居あるいは近居であることは、支援と拘束の両面がある。 韓国の補充インタビューは、2015年3月に大邱広域市および昌原市で行った。国際結婚の3ケース、シングルマザー1ケースである。韓国家族の現代的変容を理解するために、補充インタビューは有意義であった。 2014年11月に神戸で開催された日本社会学会大会において、李京姫先生、洪上旭先生を招聘し、プロジェクトにかかわった日韓の研究者全員による共同報告を行った。2015年3月には呉貞玉先生を招聘し、公開研究会において韓国の育児政策最新事情について報告いただき、本プロジェクト結果および関連プロジェクト調査結果を検討し、研究成果公表の方向性について話し合った。
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Research Products
(9 results)