2012 Fiscal Year Research-status Report
地域における包摂型コミュニティ構築の可能性と課題――外国人非集住地域に着目して
Project/Area Number |
24530628
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
仲野 誠 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60301719)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域社会 / 多文化 / エスニシティ / 外国人 / 共生 |
Research Abstract |
24年度は以下の事柄について調査を実施した。これらは問題の全体像を描くための基礎的な調査であった。 まず、当該地域の地域研究―まず本研究で事例としてとり上げる鳥取県鳥取市および倉吉市の地域の概要(歴史や産業構造の変化、グローバル化による社会の諸変化等)の基礎調査を実施した。また、当該地域における在住外国人のつながり・ネットワークの形態やその変化の把握―当該地域における在住外国人のつながりの形の一部を明らかにした。 ついで、当該地域における在住外国人自身の生活世界の把握―在住外国人がおかれているつながりの形態の上部構造として、当事者たちの主観的意識や地域での役割をある程度明らかにした。調査方法としては、外国人住民当事者たちおよび日本人の支援者発ち、あるいは行政をも巻き込んだ集会の際に聞き取り調査を用いてデータを収集した。 また、当該地域における住民の外国人観・外国人の認識の把握―非集住地域における地域住民たちを対象にし、外国人をめぐる/外国人が抱える多文化共生に関する現状認識について、支援者たちに聞き取り調査を行った。さらには、当該地域において外国人に関わっている様々な主体による、社会の多文化化へ対応するための試みの現状把握を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初24年度に調査を予定していていた外国人住民、行政および日本人住民への質問紙調査は実施することができなかった。この点において、当初の予定をすべてカバーできているとは言い切れない。しかし、その他は概ね順調に進行していると言えよう。特に聞き取り調査や外国人をめぐる諸課題に関する行政や住民の集会への参与観察調査など、質的な調査においては概ね予定どおり進行している。 これら質的調査の土台となる当該地域のトレンドをより正確に把握すべく、もっとマクロなレベルでの調査が必要とされるところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に予定している調査を引き続き25年度も継続し、さらに深化させることが必要である。 具体的には、「当該地域における在住外国人のつながり・ネットワークの形態やその変化の把握」においては、24年度は、そのつながりの形の一部を明らかにしたものの、全体像は描ききれたとは言えない。 また、「当該地域における在住外国人自身の生活世界の把握」においては、在住外国人がおかれているつながりの形態の上部構造として、当事者たちの主観的意識や地域での役割をある程度明らかにしたものの、サンプルが偏っているという問題をまだ孕んでいる。 さらに「当該地域における住民の外国人観・外国人の認識の把握」という課題については、非集住地域における地域住民たちを対象にし、外国人をめぐる/外国人が抱える多文化共生に関する現状認識について、支援者たちに聞き取り調査を行ったが、より広範な調査が必要とされる。当事者、行政、日本人住民などという当該地域において外国人に関わっている多様な主体による、社会の多文化化へ対応するための試みの現状把握もさらに進める必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(6 results)