2013 Fiscal Year Research-status Report
地域における包摂型コミュニティ構築の可能性と課題――外国人非集住地域に着目して
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24530628
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
仲野 誠 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60301719)
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Keywords | 地域社会 / 外国人住民 / 多文化 / 共生 |
Research Abstract |
25年度は以下の事柄について調査を実施した。これらは初年度に実施した問題の全体像を描くための基礎的な調査を発展させたものであった。 まず本研究で事例としてとり上げる鳥取県中部地域(倉吉市を中心にして)の基礎調査を継続的に実施した。それを踏まえて、洪研究代表者がメンバーとして関わっている当該地域における在住外国人の自助グループである「Toriフレンドnetwork」のつながり・ネットワークの形態やその変化の把握―当該地域における在住外国人のつながりの形およびその機能について調査を開始した。 それは主に「Toriフレンドnetwork」の定例集会および非定例のイベントへの参与観察を中心的な方法論として採用し、実施された。定例集会では当該グループのメンバーたちが日ごろ直面している地域での課題を共有しあい、その解決にむけて互いのアドバイスを交換するという形式で実施されている。非定例なイベントは、就学年齢の子どもをもつ外国人住民を対象にした日本の学校のしくみに関する説明会あるいは地域の多文化化についてのフォーラムという形で実施された。 これらの集まりの現場で、当該地域における外国にルーツをもつ住民が抱える地域での課題および日本人住民の地域における多文化共生に関する現状認識についてデータを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度は当初の予定どおり、調査を予定していていた外国人住民当事者およびその日本人支援者による自助グループ「Toriフレンドnetwork」への参与観察調査を実施することができたのは収穫であった。この点において本研究は概ね順調に進行していると言えよう。特に聞き取り調査や外国人をめぐる諸課題に関する住民の集会への参与観察調査など、質的な調査においては概ね予定どおり進行している。 ただし、行政および当該自助グループに関わっていない地域の日本人住民への調査は順調に実施できておらず、当初の予定をすべてカバーできているとは言い切れない。現在実施している質的調査の土台となる当該地域のトレンドをより正確に把握すべく、もっとマクロなレベルでの調査が必要とされるところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現行の調査を引き続き26年度も継続し、さらに深化させることが必要である。 外国人住民およびその日本人支援者たちの自助グループ「Toriフレンドnetwork」のつながりの形の一部を明らかにしたものの、全体像は描ききれたとは言えない。この参与観察調査はそのまま継続的に実施される必要がある。 また、「当該地域における在住外国人自身の生活世界の把握」においては、在住外国人がおかれているつながりの形態の上部構造として、当事者たちの主観的意識や地域での役割をある程度明らかにしたものの、まだ一部にサンプルが偏っているという問題を孕んでいる。より広い、地域的な(あるいは社会的な)文脈においてこの自助グループの位置づけや当該地域の現状を描き出すことが求められよう。このようなより広範な調査が必要とされる。 さらには行政と当該自助グループに関与していない日本人住民などの多様な主体が抱えている地域の多文化化に関する意識の現状把握もさらに進める必要がある。
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Research Products
(7 results)