2016 Fiscal Year Annual Research Report
Community and Emigration of Catholic in Japan
Project/Area Number |
24530641
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
叶堂 隆三 下関市立大学, 経済学部, 教授 (50224580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 尚俊 山口大学, 人文学部, 教授 (10240194)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移動 / 類縁関係 / コミュニティ形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、類縁関係性を基盤にした長崎の半島・離島のカトリック信徒の集団的・連鎖的移動の実状の解明をめざしたものである。まず本研究の基本的観点として、長崎県内外の多くのカトリック信徒の集住地が、江戸後期・明治以後の開拓移住に由来するという見地を提示した。そして、長崎県内外の集住地の事例調査を通して、この観点の立証をめざした。さらに、この基本的観点に関連する想定として、先行研究等を参考にしながら、次の2点を設定した。すなわち、第1に、信徒の移動の社会的背景として、キリシタン時代以来の均分相続制および江戸末期、とりわけ明治以降の過剰人口の発生という想定である。第2に、移住の社会的特徴として、挙家離村および集団的・連鎖的移動および、時として、社会資源が関与するという想定である。 また、信徒の定住や連鎖的移動、さらに新たな他出に関係する要因として、移住地の規模や生産条件等の及ぼす影響を想定している。加えて、2世紀に及ぶ信徒の移住の時期の区分を提案し、この時期区分にそって事例調査を提示している。 事例研究の結果、信徒の集団的移動の時期区分に関して、最初の移住(第1位次移住)と位置づけられたと判断した。さらに、第2次移住が江戸末期・明治初期の外海地区および第1次移住地からの移住と判断し、その後の明治以後の移住を第3次・第4次移住に位置づけた。また、最初の移動が生じた後、多くの移住地およびその周辺に連鎖的移動が生じたことも、事例調査を通して明らかになった。 また、長崎の半島・離島の出身世帯の移動の要因として想定した① 条件不利性・② 均分相続・③ 過剰人口であることが、事例調査を通して判明した。
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Research Products
(3 results)