2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530656
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
秋吉 美都 専修大学, 人間科学部, 教授 (40384672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真由美 富山大学, 経済学部, 准教授 (30401269)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幸福度 / ジェンダー / 家族 / 公平 / 社会的比較 / 社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、データ収集を完了し、データの整理と統計的手法による分析を進めた。データは25歳から54歳の女性を対象にオンライン調査によって収集した。データ分析では、家事分担と幸福度の関係を中心に分析し、家事分担に対する公平度が女性の幸福度に寄与していることをみいだした。公平度は、「家事分担が夫婦間で平等と感じるか否か」に関する主観的な尺度である。本調査では、既婚女性にたいし5段階を示して家事分担の公平度の評価を求めた。「自分にとってとても不公平である」「どちらかというと自分にとって不公平である」、「おおむね公平」、「どちらかというと夫にとって不公平である」、「夫にとって不公平である」の5段階である。その結果、43%が「家事分担はおおむね公平である」と評価しているものの、11%は「自分にとってとても不公平である」と感じていることが明らかになった。また、35%は「どちらかというと自分にとって不公平である」と感じている。 統計分析では、公平度には、母親の家事分担割合や自分と似たような状況の他の女性の家事分担割合が影響することが明らかになった。「他の似たような状況の女性に比べて」自分の家事分担割合が高いと感じる場合に、女性は「自分の家事分担は公平ではない」と感じる傾向がある。また、主観的な公平度が生活全体に関する幸福度にも寄与することがわかった。 成果については、国際学会を含む、複数の学会で報告を行った。また論文をまとめ、審査に付している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の研究活動として計画していた、データ収集、整理、および分析についてはほぼ予想どおりの進捗であり、大きな遅れは無い。ただし、学会報告および論文発表については、26年度2月の段階で審査中であったため、研究期間の延期を申請した。
研究期間の延期申請後、審査中だった学会報告は26年度末までに受理された。したがって、審査のタイミングによる研究期間延期は生じたものの、成果の発表については一定の進捗が得られたことを受けて「おおむね順調に進展している」とする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は成果のとりまとめが研究活動の中心となる。すでに受理されている学会報告については、8月に報告を実施する。その他の学会においても報告を行う。
論文については、投稿後、改稿要求を受けて再提出中のものが1点ある。今年度は、この現在審査中の論文に加えて、3点程度の論文執筆を進める。最終年度にあたることから、データの預託準備を進め、研究期間終了後に預託する。
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Causes of Carryover |
当該年度の所要額はおもに論文掲載費用および学会報告費用とする予定であった。年度末の段階で、論文および学会報告がいずれも審査中であったため、費用支出が確定せず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
審査中だった学会報告については受理された。したがって次年度使用額の一部は学会報告のための費用として使用予定である。審査中だった原稿は、改稿要求を受け、引き続き審査が継続中である。掲載が決定されれば掲載費用が生じるため、その費用として次年度使用額を用いる。もし受理されない場合は、引き続き適切な学術雑誌への投稿を行う。
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Research Products
(4 results)