2012 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ移住女性たちの文化的アイデンティティと日系コミュニティ形成に関する考察
Project/Area Number |
24530662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (90282904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アメリカ / 移住 / 新一世 / 日系人 / ジェンダー / エスニシティ / エスニック・コミュニティ / 国際情報交換 |
Research Abstract |
H24年度は次の5つを行った。①8月に調査地であるアメリカ・カリフォルニア州・サンフランシスコベイエリアに渡航し、H25年度以降に行う予定のインタビューの調査対象者の発掘を行った。まず過去のインタビュー対象者2名に再開し、インタビュー後の生活の変化の概要について話を聞くとともに、今後のインタビュー調査の対象者探しへの協力を依頼した。これとは別に、現地に移住した日本人女性へのネットワークを広く持つ者1名にも会い、今後の調査計画を説明するとともに、調査対象者探しへの協力を依頼した。 ②8月には上記と合わせてコロラド州・デンバー市で開催された第107回アメリカ社会学会大会に参加し、ジェンダー・カテゴリーの社会的構築に関する研究報告「When and Why Do Parents Use Gendered Attribution Accounts to Explain Their Children’s Behavior?」を口頭発表した。あわせてアメリカに移住している日本人女性研究者とも会い、アメリカに移住する日本女性の現状をヒアリングするとともに、本研究計画についてのアドバイスをもらった。 ③11月には札幌学院大学で行われた日本社会学会に参加し、研究報告「サンフランシスコ・ベイエリア移住日本人女性の『日本人』アイデンティティ」を口頭発表した。あわせて、エスニシティ研究、移民研究、北米研究、ジェンダー研究を行っている他の研究者と研究交流を行い、本研究計画に対して貴重なアドバイスを得ることができた。 ④アメリカに移住した日本人研究、エスニシティ研究、ジェンダー研究についての国内外の文献を収集し、先行研究の動向を掌握した。 ⑤国内、およびH23年度のサバティカル派遣先であるカリフォルニア大学バークレー校に保存されている日系アメリカ人社会が発行した新聞について情報収集を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H24年度、急きょ武蔵大学常任入試委員の役職を引き受けることになったため、当初予定していた春休み中に渡米してのフィールドワークを実施することができなかった。そのため、初年度の研究到達度は当初の研究計画からやや遅れてしまったが、2年度目に後れを取り戻す予定でいる。現在、H24年度春に実施できなかった調査、フィールドワーク、資料収集については、H25年度の夏休みに実施する予定で準備をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は以下の作業を行う計画でいる。 ①アメリカ移民統計データの二次的分析:アメリカ政府が公開しているAmerican Community Survey, US Census, Current Population Survey, Office of Immigration Statistics, New Immigrant Surveyを入手し、日本人女性の移住傾向、移住後の動向についてマクロな状況を把握する。 ②サンフランシスコ・ベイエリアに移住した日本人女性へのインタビュー:H25年度の夏休みおよび春休みに渡米し、調査対象者に対して渡米前後のライフヒストリー、本人の認識する「日本人」アイデンティティ、日系コミュニティへの参加状況とそのネットワークにたどり着いた経緯、を中心とするインタビュー調査を行う。 ③日本人コミュニティの調査:移住した日本人女性が現地において形成する日本人コミュニティについて資料の収集、行事への参加、本人および周囲の人がどのようなコミュニティを形成しているか、現地で発行されてきた日系新聞、各日系コミュニティで発行する資料、インターネット記事などの分析と、現地に移住した日本人女性への聞き取り調査を行う。 なお、上記①、②については当初計画ではH24年度に行う予定であったが、学務の関係上、国外出張を行うことができず、研究計画の進捗状況がやや遅れてしまったため、H25年度前半に行えるよう、現在準備を進めているところである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度の研究費は以下の通り使用する。 ①調査旅費:夏休みおよび春休みにアメリカ合衆国サンフランシスコ・ベイエリアに渡航し、現地でインタビュー調査、フィールドワーク、資料・情報収集を行う。この際に必要とされる旅費として研究費を使用する。 なお、当初H25年度は夏休み中のみ現地調査を行う予定であったが、H24年度の春休みに行う予定で実施できなかった調査をH25年度夏休みに行うことにし、H25年度の夏休みに行う予定であった調査はH25年度の春休みに延期して行う予定でいる。 ②資料収集費:夏休みおよび春休みに現地で収集する資料のコピー代、書籍購入代として研究費を使用する。また、日本国内にて関連書籍購入費、資料コピー代として研究費を使用する。 ③調査協力者への謝礼:インタビュー協力者への謝礼として研究費を使用する。 ④テープお越し作業費用:インタビューデータを文字情報化の作業を、テープお越しの専門業者に依頼する。テープお越しの作業費用として研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)