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2013 Fiscal Year Research-status Report

メディアの表現構成における社会的規範を通じた理解の実践に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24530667
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

是永 論  立教大学, 社会学部, 教授 (50275468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 酒井 信一郎  清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (00638570)
Keywordsメディア表現 / エスノグラフィー
Research Abstract

前年度における理論的な基盤の研究に基づいて、大きく下記の三つのメディア表現についてフィールドを選定し、フィールドワークを通じた現場データの記録および、インタビュー調査を実施した。
1.短歌制作の観察 前年度における歌会(制作者同士による批評と推敲を行う集まり)の現場観察を継続し、表現の創作過程において、人々によりどのような実践が行われているのかについて、音声データの録音に加えて、現場のビデオ記録をもとに、言語上の相互行為のほかに、情報機器や筆記による記録情報の活用の仕方などを詳細に分析した。
2.写真撮影のエスノグラフィー コスプレ撮影を組織的に行っている集団を対象にフィールドワークを行い、撮影現場の観察を通じて、特に被写体となる相手と撮影者がどのような相互行為を行っているのかについて、ビデオ上に記録して分析を行った。また、コスプレ会場でお互いに知らない同士が撮影を行う場面を、上記の場面と対比させる形で観察調査を行い、分析的な知見を導いた。
3.マンガ経験のライフヒストリー メディアにおける情報(特に物語)をリソースとして送り手がどのように制作に関わっており、制作過程に関わる社会的・歴史的文脈がどのようなものであるのかを主眼に、実際に職業としてマンガ制作に関わっているマンガ家を対象にライフストーリー・インタビューを行った。
このほかにも、情報機器を利用している一般の人々を対象に、現在の労働環境についてのインタビューを行うことにより、メディアにより自らについての表現をどう実践しているのかについても、予備的な考察を行った。以上の研究状況から、さまざまな表現のジャンルを対象に、制作者自身による言語の使用やコミュニケーションの状態を観察するだけではなく、当該の制作者以外の人々の存在を前提とした相互行為のエスノグラフィーを行い、それぞれの結果から総合的に考察する研究の方向性が確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度においては、特に短歌制作者の研究を中心に、研究考察を進行させ、音声データと映像記録データを組み合わせながら、人々が表現活動を実際に遂行する中で見られる相互行為上の特徴を詳細に分析し、その知見を学会発表に投稿するところまで進展させることができた。その他のフィールドについても、ビデオ記録を含む多様なデータを複数の対象から収集し、基本的な分析知見について検討を行った。
以上の観点から、当初の計画に対して、特定のフィールドについてはそれ以上の進展と言える成果が見られた一方で、他のフィールドについてはデータの収集が対象者の都合により多少遅れている事情も加味した上で、研究内容としては到達すべき諸点に達していると考え、順調に進展しているものと評価した。

Strategy for Future Research Activity

それぞれのフィールドにおいて収集したデータをもとに、それらの分析を通じたメディア表現上の社会的規範とその受容過程の検証作業を行う。研究成果をとりまとめ、国際学会での発表および研究報告書の作成を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

エスノメソドロジーの研究が海外において先進的な研究が展開しているため、当該年度開催される国際エスノメソドロジー・会話分析学会に出席し、最新の研究動向について情報を交換する計画であったが、本務校の都合により、出張期間が確保できなかったため、その旅費に支出されないこととなった。また、フィールドワークおよびインタビューを行っている一部の調査について、対象者側の都合により、調査協力期間が予定よりも短くなってしまったため、調査実施にともなう経費が軽減した。
前年度までに得られた研究知見に、今年度さらに検討を加えた上で、情報行動に関する国際学会にて発表する予定である。フィールドワークとインタビューについては、継続して行うことにより、前年度得られなかった範囲のデータも含めて収集・分析する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] メディア経験とオーディエンス・アイデンティティ ――語り・パフォーマンス・エスノメソドロジー.2014

    • Author(s)
      池上賢
    • Journal Title

      マス・コミュニケー ション研究

      Volume: 84 Pages: 109-127

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 日本社会における「在宅勤務」イメージの系譜

    • Author(s)
      是永論・藤井貴大
    • Organizer
      第15回日本テレワーク学会
    • Place of Presentation
      北見工業大学
  • [Presentation] On the Practical Benefits of Visualizing Tasks.

    • Author(s)
      Sakai, S., Ikeya, N. & Awamura, N.
    • Organizer
      International Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis
    • Place of Presentation
      Wilfrid Laurier University, Waterloo, Canada.
  • [Presentation] Looking for the Adequate “Dose”: Sending an Electric Impulse to the Patients’ Body in Electrotherapy.

    • Author(s)
      Ebita, D. & Sakai, S.
    • Organizer
      International Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis
    • Place of Presentation
      Wilfrid Laurier University, Waterloo, Canada.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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