2013 Fiscal Year Research-status Report
滞日ムスリムに関する住民意識の三地域比較調査研究と多文化政策再考
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24530669
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
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Keywords | 滞日ムスリム / イスラーム / 地域住民 / 外国人 / 日本人 / 国際社会 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
2013年度は、これまで実施してきた調査研究の分析や発表、および、追加の調査などに当てられた。2012年度に実施した福岡市における外国人住民との共生に関する意識調査については、日本中東学会での研究発表、対象地域の福岡モスクにおいて滞日ムスリムを対象とする調査報告会、また国際シンポジウムでの調査結果の発表などを実施した。これら一連の発表を通じて、見えてきたことは、日本人住民のイスラーム・ムスリム意識に対する変動要因としての、メディアの影響や、ムスリムと日本人住民の間の直接的接触や相互交流の重要性である。本課題に関する調査は、岐阜市、富山県射水市、福岡市の3地域で行ったが、今後は、これら3地域の調査結果の再検討を実施するとともに、調査企画の新たな展開をはかる予定である。 一方、当初予定した海外在住の日本人のイスラーム・ムスリム意識に関する調査については、対象として考えていたマレーシアの日本人会の同意を得ることが問題となった。マレーシアの内務省の調査に関する同意書などを入手して、同会の賛同を得るように努力したが、結果的には同意を得られず、この調査企画は断念せざるを得なかった。 このほか、毎年別予算で執行していたマレーシアのマラヤ大学学生意識調査において、同国のマレー系、華人系、インド系等の学生が持っているイスラーム・ムスリム意識についての調査を一部に盛り込んで、調査を実施した。この調査の結果については、従来からのカウンターパートであるマラヤ大学研究者が、12月の国際シンポジウムにて報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査報告書の刊行、および、研究発表について、ほぼ予定通りの進展をみた。海外在住の日本人に関する調査は実施できなかったが、マラヤ大学の学生を対象として、マレー系、華人系、インド系等の学生が持っているイスラーム・ムスリム意識についての調査を実施できたことは今後の展開につながるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本課題の最終年度に当たる。これまで量的調査を中心として、日本人のイスラーム・ムスリム意識についての調査を行ってきたが、質的な調査を展開すること、および、多文化共生政策にかんする検討を行うために、モスクが所在する地方自治体を対象とする聞き取り調査などに取り組みたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
代表者の健康上の理由により、一部実施計画の変更があったため。 国内の調査研究出張、および、海外でのイスラーム・ムスリム意識に関する調査も予定しており、海外出張費等で使用する計画である。そのほか、報告書の印刷等に使用を予定している。
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