2012 Fiscal Year Research-status Report
石炭産業終息期における炭鉱と地域社会:”最後のヤマ”のライフコース
Project/Area Number |
24530674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋崎 尚子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40216049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤口 恵一 大正大学, 人間学部, 教授 (50338597)
山本 薫子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (70335777)
島西 智輝 香川大学, 経済学部, 准教授 (70434206)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 太平洋炭鉱 / 石炭産業の終焉 / 最後の閉山 / 離職者対策 / 人事労務管理体制 / 労働組合 / 持家制度 / 釧路市の動態 |
Research Abstract |
本研究は、釧路太平洋炭砿の閉山(2002年)が炭鉱離職者ならびに産炭地釧路の地域社会におよぼした影響を、80余年にわたる太平洋炭砿企業体や組合、地域社会というメゾ水準のコンテクストと、国の石炭政策や経済状況等のマクロ水準のコンテクストに位置づけ多層的に“最後のヤマ”のライフコースとして明らかにすることを目的とする。具体的には4点の課題を設定して進めている。平成24年度は当初の計画どおり、3回の現地調査(6月、8月、2月)ならびに3回の研究会(7月、9月、12月)を行った。課題ごとの成果は以下のとおりである。 (1)太平洋炭砿閉山と離職者のキャリア再形成分析:①太平洋炭砿離職者調査「ヤマに生きた人調査」データベース構築と二次分析、②離職者対策関連資料(市商業労政課、太平洋炭砿資料室、北海道炭鉱離職者雇用援護協会等)収集と整理、③離職者対策関係者ヒアリング(市役所、相談室担当者、組合関係者、北海道炭鉱離職者雇用援護協会関係者等)。①についてはリサーチ・ペーパー刊行、学会報告(2012年12月)ならびに論文発表(2013年5月刊行予定)。 (2)釧路地域の動態分析:釧路における産業・雇用状況と地域経済に関する資料収集と関係者ヒアリング(商工会議所、釧路新聞社、釧路市産業振興部産業推進室等)。基礎的資料の収集分析を終えて、リサーチ・ペーパーとして刊行予定(2013年5月)。 (3)太平洋炭砿の経営史分析:①太平洋炭砿労組結成時の文書資料の収集と整理、②労組結成時からの執行委員会議案内容のインデックス作成、③労組元幹部へのヒアリング(4件)、④太平洋炭砿長期存続要因に関する人事労務管理からの考察。④についてはリサーチ・ペーパーとして刊行予定(2013年4月)。 (4)釧路コールマイン(KCM)再就職者の現状分析:離職者インタビューならびに関係資料の収集。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
地元関係者の協力を得て、当初計画以上の進展となっている。とくに研究課題(1)においては釧路市から雇用対策に関する一次資料の提供を受け、かつ対策担当者へのヒアリングを実施できたことの意義は大きい。また(3)においては、労組結成以降の執行委員会議案内容のインデックスを作成したこと、ならびに労組幹部へのヒアリングは当初計画になかったが実現した。日本の石炭産業における炭鉱労組の結成から最終局面にいたる実態研究へとつながるものであり、来年度以降の展開が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、引き続き4課題研究を進めていく。来年度中にリサーチ・ペーパー5本の刊行を予定している。また、当初計画にはないが、地元釧路での研究交流会の開催も予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定どおりの使用計画で進めていく。
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Research Products
(5 results)