2015 Fiscal Year Annual Research Report
定量的・定性的分析を併用した日本の国際結婚カップルをめぐる家族形成の包括的検討
Project/Area Number |
24530676
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
竹下 修子 愛知学院大学, 文学部, 教授 (60454360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 義孝 京都大学, 文学研究科, 教授 (30115787)
花岡 和聖 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (90454511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際結婚 / 家族形成 / 移動パターン / イスラーム教育 / ロジットモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究業績の概要は次の3点である。第一に、マックマスター大学(カナダ)のカオ・リー・リァウ名誉教授と共同研究を行い、アメリカ統計局が実施するアメリカン・コミュニティ・サーベイの個票データを用いて、在米中国人、フィリピン人、ベトナム人の「戦略としての国境を越えた結婚」について研究した。相対的に生活水準が低く、将来の展望が開けない国で生まれた女性にとっての結婚戦略とは、その女性の若さと、夫がもつ米国市民権を通して得られる米国での永住権とを交換することである。このような結婚戦略は、1990年代以降、特に2000年代以降に広く行われており、偽装だと考えられる結婚は広くみられる問題であることが、本研究から明らかになった。 第二に、2010年の国勢調査外国人個票データを用いて、2005~2010年の外国人による新規流入移動と国内移動の目的地選択を分析した。その結果、日本の総人口の減少や、経済危機にともなう外国人人口の減少は、本研究で行った多変量解析という枠組みのなかでは、目的地選択にはっきりとした影響を与えていないことがわかった。一方、国際結婚件数の減少は、三世代同居が多い東北地方への外国人女性の「嫁」としての流入を示す変数の説明力の後退につながっているという知見が得られた。 第三に、愛知県に居住する父トルコ人・母日本人の国際結婚家族におけるイスラーム教育とトルコ語教育に関する人的資本と社会関係資本の関係性について考察した。愛知県のトルコ人コミュニティは、出生地、社会経済的地位、支持する宗教指導者など複合的要因によって形成されている。本研究対象の国際結婚家族は、それぞれのコミュニティから異なる社会関係資本を得ている。人的資本に恵まれない家族であっても、人的資本と社会関係資本が補完関係にあるコミュニティにおいては、宗教教育と言語教育が維持されていることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Intermarriage and Japanese Identity2015
Author(s)
Takeshita, Shuko
Organizer
International Conference of International Association for Intercultural Studies
Place of Presentation
Hong Kong Polytechnic University, Hong Kong (China)
Year and Date
2015-07-17
Int'l Joint Research