2012 Fiscal Year Research-status Report
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24530682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
筒井 淳也 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90321025)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 女性労働 / 公的雇用 |
Research Abstract |
本年度は初年度であり、基本文献の収集・整理、基礎的データの収集を行なってきたが、研究テーマである公的雇用と女性労働の関係に取り組む上での予備的な分析も同時並行して遂行してきた。 主にOECDの基礎的(記述的)データからは、北欧諸国のみならず自由主義諸国においても女性労働にとって公的雇用が重要な位置を占めることがわかった。 また、予備的分析の成果の一つとして、筒井淳也(2012)「公的セクター雇用における女性労働とワーク・ライフ・バランス」『社会科学研究』64(1):155-173(東京大学社会学研究所紀要)を発表した。そこでの結論として、国際データから得られる平均的な特徴として、公的雇用は民間雇用に比べて働き方の柔軟性の面で劣る傾向があることが判明した。特に(福祉専門職を含む)準専門職において、本来は備わっているべき働き方の柔軟性が公的雇用によって奪われている可能性が示唆された。 以上の結果から、第2年度以降に検証すべき仮説を、公的雇用は女性の労働力率を上げ、継続的雇用を促すという側面を持ちつつも、待遇や働き方の柔軟性などその他の面ではメリットが少ない可能性がある、と設定する。この仮説を検証するために、さらに文献・資料、データを収集して行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第2年度の開始時点で、検証すべき仮説を設定できたことから、最終的な成果について見通しを持ちやすい状態にあると判断できると考える。他方で、仮説の検証のために必要なデータの採取をしっかりやっていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
公的雇用についての国際比較可能な経年データを入手する必要があるが、OECDでまとまったかたちで入手できるデータだけでは分析において利用しにくいため、ILOから得られるデータを加工するしかない。その際のデータ採取に際して、大学院生等を雇用することも考えている。 また、公的雇用は実際には国々おいて多様な位置づけを持つことを考え、海外の近接分野の研究者にヒアリングを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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