2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530685
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
大曲 由起子 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (00626327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍛治 致 大阪成蹊大学, 経営情報学部, 准教授 (50465655)
樋口 直人 徳島大学, その他の研究科, 准教授 (00314831)
高谷 幸 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40534433)
稲葉 奈々子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (40302335)
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Keywords | 移民 / 外国人労働者 / 階層 / 貧困 / 移住労働者 / 国勢調査 / 教育 / ジェンダー |
Research Abstract |
本年度は、6月に全体で集まって打ち合わせを行い、新規で利用可能になった1980年と1985年の国勢調査データを入手することで合意した。9月にデータを入手する一方で、前年度に入手した1995年と1990年データの分析を行った論文を、8月と12月に執筆した。そうした知見をもとに、3月にはシンポジウム「ニューカマーの大学進学:格差の是正に向けて」を開催した。また、複数メンバーが関わっている移住労働者と連帯する全国ネットワークの機関誌に、「外国人生徒の進学問題」という特集を組んだ(2014年4月号)。これらの知見をまとめると以下のようになる。 (1)教育:韓国・朝鮮人や中国人の保護者に占める大卒者の割合は、「韓国・朝鮮人父<日本人父<中国人父」という関係が形成されていた他、「中国人父は学歴が高いわりに失業率が高くホワイトカラーの職業に就く割合も低い」という傾向も見られる。子ども本人の大学在学率についても、すでにこの頃から、日本人、韓国・朝鮮人、中国人の間に大きな格差は見られなかったが、中国人の居住歴に鑑みれば中国人ニューカマーのパフォーマンスは高い。 (2)韓国・朝鮮籍、とくに女性は離別の割合が高く、また就業状況という点では失業率が高い点、フィリピン籍は、男性と比較して女性有配偶者の割合が高く、またその就業率が非常に低くなる点などである。さらに中国籍は、男女とも通学の割合が非常に高い点はこの時期の特徴といえる。これらの層のうち卒業後も日本に残ったものが専門職として働くようになったと思われる。その意味で、90年からニューカマー外国人のこれ以降の滞在経路が確立されつつあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2010年度国勢調査のデータは、まだ開示されていないため、この点ではデータ入手が遅れている。しかし、1985年と80年の調査データが2013年には利用可能になり、このオーダーメイド集計を入手できた。それに関わる論文も執筆できたため、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2010年度データが利用可能なり次第、入手して30年間の動態を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国勢調査のデータ開示が遅れているため。 開示され次第、データを請求するのに使用する。
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Research Products
(9 results)