2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代農村の新規就農者と若者集団:モノグラフとイシューアプローチによる生活過程分析
Project/Area Number |
24530690
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
三須田 善暢 岩手県立大学盛岡短期大学部, 国際文化学科, 准教授 (10412925)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Iターン / 新規就農者 / 若者集団 / 村落 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のトピックとしては(a)現代農村における「若者集団」の活動内容とメンバーの相互作用過程調査、(b)採石に伴う環境問題をめぐる「若者集団」ら集落住民の反対運動の過程および構造分析、(c)新規就農青年のネットワーク形成過程、既存「若者集団」との対比による特性把握、の3つを置いていた。 本年度は最終年度として、これまで弱かった(a)と(c)に力点をおく予定であったが、(a)および(b)についての論文作成に手間取ったため、(a)と(c)を充分におこなうことはできず、(a)については論文化と追加調査、(c)については調査プラン作成と予備的ヒアリングをおこなうに留まった。 (a)については、新規参入者が村落に入り込むにつれ、これまで後見人的な存在であった重要人物らとの関係性に多くの変化が生じ、彼らから「問題」視されるようにもなっている事例をとりあげた。その過程を追うなかから、その「問題」があらわれてきた理由とその含意から見出させる現代村落の特性を把握した。そこには「規範」が重要になってきているが、営農面の要因はあまり関与しておらず、生活面の要因、具体的には村落の将来を考えて主体的に役員・行事等をこなしていくことへの期待が重要視されることがうかがえた。(b)については、新規参入者が採石反対運動の一環として首長選に出馬した経緯を綿密に追った。それは現在の「地域の主体性」の一様を「分厚い記述」をもとに描いたものとして位置づけられよう。(c)については、近年注目をあびるIターン就農者による農業団体の成立・展開過程を追った。その活動は、ある意味「社会運動」としての側面を強く持ったものへと進展し、生活のためであると同時に遊びの要素を含んだものであり、それが公共的なものと結びつきあらわれていること、しかしその公共性は農村集落との関わりが薄いものにとどまっていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)