2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
赤堀 正成 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (60321676)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 産業 / 労働 |
Research Abstract |
2008年世界不況後の労働組合による職場規制の日本とフランスの比較を目的として,当該年度は,文献収集と次年度以降に行うヒアリング対象者,情報提供者を選定する作業を行った。 文献収集は,労働市場論,労働史・労働者文化論,及び世界不況論・現代資本主義論を対象とした。労働市場論についてはBen Fine,下山房雄,田端博邦らを参照しつつ,これまでの労働市場論のサーヴェイを行った。また,労働法についてはAlain Supiotを参照した。労働史・労働者文化論については,Dominique Andolefatto & Dominique Labbé,Pierre Bourdieu,Eric Hobsbawm,Robert Castel,Daniel Bensaïd,熊沢誠らを参照し,関連する文献を渉猟した。世界不況論並びに現代資本主義論については,David Harvey,Andrew Glyn,伊藤誠,Paul Krugman,Joseph Stiglitzらの文献に学んだ。 Hobsbawm,熊沢らの労働者階級と社会との関係の歴史的変化についての議論,また,労働組合主義,労働社会論に係わってはBourdieuのPaul WillisのLearning to Labourの読まれ方への批判はそれぞれ研究遂行に有益だった。また,Glyn,伊藤,Krugmanが注目するMichael Kaleckiの「政治的景気循環論」は職場規制のあり方を労働市場論のみならず全体としての資本主義システムにまで媒介する筋道を示唆する点で有益だった。 次年度以降のための,職場規制のあり方を比較検討するための,ヒアリング対象者,情報提供者の選定については,日本自動車メーカーA社の元労働者及びフランス自動車メーカーB社労働組合支部との連絡がとれ,2013年4月以降に進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本とフランスの労働者,労働組合へのヒアリング,会社及び労働組合文書の収集を当該年度に開始したかったが,いずれとも連絡が可能になった時期が遅れ,次年度以降の課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,引き続き研究文献に当るほか,ヒアリング,組合文書の収集などを行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
文献収集及び複写,フランスの労働組合支部へのヒアリング及び情報収集のために文献費に50万円,交通費・渡航費・郵送費に50万円で100万円を見込む。
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