2012 Fiscal Year Research-status Report
市民社会における介護サービス供給のあり方とサービスの質の測定方法に関する研究
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24530699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山井 弥生(斉藤弥生) 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40263347)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 市民社会 / サードセクター / 協同組合 / 介護サービス / 国際比較 / ビクトール・ペストフ |
Research Abstract |
本研究はエーシタシュンダ―ル大学(スウェーデン)ビクトール・ペストフ教授との共同研究であり、平成24年度(2012年度)は3年間の調査研究プロジェクトの初年度であった。本研究は、ペストフ教授がスウェーデンで実施したWECSS調査(労働環境と協同組合に関する調査)をベースに改良して、日本で同様の調査を実施し、サードセクター(特に協同組合)の提供する医療や介護サービスの特徴を明らかにしようとするものである。研究代表者の斉藤は平成23年(2011年)9月~平成24年(2012年)6月まで、平成23年度(2011年度)日本学術振興会二国間交流事業による派遣でストックホルム大学に滞在していたため、ペストフ教授と十分な打ち合わせを行うことができた。平成24年(2012年)6月時点の打ち合わせでは、次年度にペストフ教授が来日して日本調査を実施することを決め、今後の進め方を検討した。 斉藤が日本に帰国してからは、生協総合研究所、農林中金研究所の研究者、職員の方々と2か月に1度の割合で研究会を開催し、ペストフ教授と連絡をとりながら、調査研究の準備を行ってきた。当初の計画では初年度に質問紙調査の実施計画を立てる予定であったが、WECSS調査手法を日本様式に改良するうえで、まずは医療や介護サービスの供給体としてみた日本の協同組合の現状を把握する必要があると考えたため、計画を変更して、情報収集を行いながら、インタビュー調査の計画をたてることとした。 ペストフ教授が平成25年(2013年)5月に約3週間、調査のために来日することが正式に決定しており、現在はこれまでの研究会で示された成果をまとめ、英訳する作業に取り組んでいる。また現地調査の計画は関連機関の協力を得て、ほぼ完成させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
斉藤が日本に帰国してからは、生協総合研究所、農林中金研究所の研究者、関係機関の職員の方々と調査研究の準備を開始し、ペストフ教授と連絡をとりながら、2か月に1度の割合で研究会を開催してきた。ペストフ教授が平成25年(2013年)5月に約3週間、調査のために来日することが正式に決定したため、現在はこれまでの研究会で示された成果をまとめ、英訳する作業に取り組んでいる。また現地調査の計画は関連機関の協力を得て、ほぼ完成させることができた。アンケート調査の前にヒアリング調査を実施することになり、少しプロジェクトの計画を変更したものの、計画する研究成果を出すための作業はおおむね順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の予算額が1,200,000円に対し、実際の支出は305,054円であったが、これは来年度のペストフ教授を招聘しての現地調査に費用がかかることを想定したためであった。平成25年(2013年)5月8日にペストフ教授が来日し、約3週間にわたり、JA厚生連が運営する医療機関(長野県佐久総合病院、福島県会津坂下病院など)や介護サービス、また医療生協が運営する医療機関や介護サービス(福島中央医療生協、長野医療生協、南医療生協など)計10か所の事業者を訪問し、スウェーデンで実施されたWECSS調査を土台に設計したインタビュー調査を行う計画である。また協同組合が提供する医療サービス、介護サービスの特徴について英語論文を作成する計画である。平成25年(2013年)5月18-19日に日本地域福祉学会が開催する「第4回日韓地域福祉サミット」(於:沖縄大学)において「日本のサードセクターとしての協同組合」というテーマで研究成果の一部を報告し、韓国研究者ら学術情報交流を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ペストフ教授の招聘に際して発生する交通費、滞在費(宿泊費)に約80万円の支出を見込んでいる。また国内調査においては生協総研、農林中金総研およびJA厚生連、日本医療生協連の職員の方が同行し、10か所以上の事業者を訪問するため、交通費の大きな支出が見込まれる。(特に公共交通機関のない地域に調査対象機関があるため、タクシーなどの移動手段を取らざるを得ない場合も想定される。)またペストフ教授に対しては調査方法に対する指導助言をいただくため謝金の支出を予定しており、現地通訳に対する謝金、英語論文作成にあたっては翻訳経費も支出予定である。
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Research Products
(3 results)