2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530704
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
坂下 智恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70404829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 博史 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10340481)
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Keywords | 自殺予防 / 地域 / うつ病スクリーニング / 多層的予防介入 |
Research Abstract |
青森県内8市町村の40~74歳中高年住民を対象として、啓発・健康教育とうつ病スクリーニングを用いた多層的自殺予防介入を実施した。行政区域の小地域ネットワークを活用し、留置法によりうつ病スクリーニングを実施することで高い参加率を得ることができた一方、スクリーニングの配布地域が局所的な地域に留まるため、効果が一部の住民に限定されるという課題がある。青森県内の郡部に位置するX町(人口約2万人)は、近年、比較的高い自殺率を示しており、2012年よりうつ病スクリーニングを用いた多層的予防介入を実施している。介入では、予め、啓発・健康教育を行い、次いで、自殺率の高い壮年層に対してうつ病スクリーニングと陽性者のフォローアップを実施した。本介入期間中、スクリーニングの配布対象を局所的な小地域に在住する特定年代層(局所的配布)に設定することに加え、町全域に在住する特定年齢者(広域的配布)へ拡大し、その前後において介入の効果を評価した。 介入によるうつ病スクリーニングが2012年には局所的、すなわち、一部区域の40~74歳住民に配布され、次いで、2013年には広域的、すなわち、35歳から60歳の5歳刻みの住民にも郵送された。 介入前の自殺者数の推移をみると、1989年から1996年までは年間8名前後で推移していたが、1997年から2009年までは年間12名前後で推移していた。2012年以降、自殺者数は減少し、介入が局所的配布によるスクリーニングによって開始された2012年は6名、広域的配布により特定年齢者に郵送する方法が追加された2013年は4名に留まっており、この2年間の自殺者数は過去25年間で最も低い水準を示している。特に、スクリーニングの対象に含まれている40~64歳の自殺者数の減少が目立っている。局所的および広域的スクリーニング配布法による年間の介入に要する費用は比較的安価であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
スクリーニングの配布対象を局所的な小地域に在住する特定年代層(局所的配布)に設定することに加え、町全域に在住する特定年齢者(広域的配布)へ拡大し、その効果を評価したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングの配布対象を局所的な小地域に在住する特定年代層(局所的配布)に設定する介入と、町全域に在住する特定年齢者(広域的配布)に設定する介入の過程評価を行い比較する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
介入対象数が予定より減少したため、調査郵送費やデータ入力に係る費用が減少したことによる。介入対象数が減少しても、今年度の研究で得られた結果の内容には問題がなかった。 次年度は調査対象や対象地域の拡大を予定しており、「次年度使用額」はそれに伴う人件費や調査郵送費、データ入力に係る費用等に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)