2014 Fiscal Year Annual Research Report
地域を基盤としたソーシャルワークの理論化に向けた個と地域の一体的支援に関する研究
Project/Area Number |
24530708
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩間 伸之 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (00285298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真帆 別府大学, 文学部, 教授 (50523304)
鵜浦 直子 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (10527774)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / 総合相談 / 地域包括ケア / 当事者 / 権利擁護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度における研究成果は以下のとおりである。個と地域の一体的支援を推進するアプローチについては、定例の事例検討会を引き続き開催し、昨年度抽出した個と地域の一体的支援を推進するソーシャルワークの8つの機能に関する指標づくりに向けた取り組みを行った。具体的には、8つの機能がもつ各々の地域を基盤としたソーシャルワークの意義の明確化、実践例に基づく8つの機能の解説、実践を行ううえでのポイントを明らかにした。そして、これらの内容は、研究成果報告書としてまとめた。またこの研究成果をまとめるにあたっては、実践例のなかで判断能力が不十分な人へのアプローチも含まれていることから、この点については、権利擁護の視点からも分析し、個と地域の一体的支援を推進するアプローチの明確化に向けて寄与した。 当事者の側に立脚した地域生活支援の方法では、高次脳機能障害者の抱える社会生活上の課題と本人なりの解決プロスを踏まえながらどのように支援するのか、援助の方向性を6名のワーカーのヒアリング調査から検討した。ヒアリングの結果、障害特性に翻弄されることなく、本人のニーズの根拠にアプローチし続けた事例は本人らしい変化と問題の緩和が見られた。しかし、障害特性に困惑したまま提供される援助は、本人の要求のままに合わせる、もしくは、本人を抑圧するという特徴が見られた。このことから、高次脳機能障害者へのソーシャルワーク実践では、クライエントと環境の理解と認識を深め把握すること、環境との積極的な交渉活動が重要であることがわかった。
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