2014 Fiscal Year Annual Research Report
精神保健福祉分野における生活支援・介護サービスプログラムの評価研究
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24530709
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
清水 由香(丸山由香) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教 (90336793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ホームヘルプサービス / 精神障害者 / 協働的支援 / 生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
〔研究目的〕精神障害者を対象にしたホームヘルプサービスにおける,ホームヘルパー(以下,ヘルパー)の協働的支援の機能を探索し,効果的な支援方法を事例検討により明らかにする。〔研究方法〕一次調査として把握した精神障害者を対象にしたホームヘルプサービス実施事業所を対象に,協働的支援の機能を探求する目的の事例研究会の開催を周知し,参加の同意を得た参加者と少人数の研究会を14回,個別面接3回行った。そこで事例報告と討議内容を質的データとして収集した。事例収集と討論において,研究倫理委員会における審査による承認を得た。実施期間は平成26年9月から1月まで実施した。事例数は19例で,研究会参加者は17名であった。〔結果・考察〕:1)協働的支援の困難性:19例のうち,協働的支援に至らなかった事例が2例であった。ヘルパーとの援助関係の構築の困難がみられた。また,ヘルパーが人材不足のなか,ヘルパーへの指導が十分にできないことや相談支援専門員が機能していないことなど,支援者側の体制整備の不備が影響していると考えられた。2)協働的支援の要素:①契約における説明の重要性。自立支援を目的とした支援であることを確認する ②作業を介して信頼関係の構築。支援者と利用者が相互に見合う時期である。そして作業を介してコミュニケーションが始まる。③作業を介したコミュニケーションは,利用者の生活技能の困難さを直接情報把握しアセスメントが可能であり,的確な支援につながる。そして,利用者が自己の生活のしづらさをヘルパーとともに言葉で相互に探り当てる協働作業のプロセスを含む。〔結論〕協働的支援は,利用者と支援者の空間・時間,視点の共有と対話による信頼関係の構築とニーズの明確化が深化していく機能をもつ。協働的支援には時間をかけ,柔軟性をもった対応が必要であり,制度面での報酬評価の再検討やヘルパーへの教育支援が必要である。
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Research Products
(1 results)