2014 Fiscal Year Annual Research Report
中堅介護職員における相談対応力向上のための支援プログラムの開発
Project/Area Number |
24530711
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
谷口 敏代 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10310830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 敏廷 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (10352585)
廣川 空美 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50324299)
高木 二郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50384847)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中堅介護福祉職 / 相談対応力 / 介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
A県の1カ所の老人保健施設、B県の2カ所の介護老人福祉施設で研修プログラムを実施した。中堅介護職は「入職後3~5年程度で、担当業務の独力遂行が可能なレベルの職員」とし、施設長に中堅介護職の選出を依頼した。研修プログラムの実施日程は施設業務に支障のない時間帯に行う事とした。研修プログラムの実施前後3週間には中堅介護職の同僚・部下(スタッフ)に記名式の質問紙調査を求め、調査票を回収できた2施設を分析対象とした。調査項目は、フェイスシート、心身の健康状態、ワーク・エンゲイジメント、職業性ストレス、ワーカホリズム、離職意向、対人関係、組織公平性で構成される。中堅介護職員は研修前に質問紙調査を求めた。調査項目はスタッフを対象とした質問項目の組織公正を外し、相談対応力を測定した。2回共調査票に記入し全ての項目に欠損値のない中堅介護職員36名、スタッフ75名を対象とした。平均就業年数は中堅介護職員8.8年、スタッフ6.5年で、中堅介護職員の方が長い傾向であった。また、中堅介護職員は高デマンド、低コントロールの高ストレイン群が41.7%であり、スタッフよりで心理的緊張度が高かった。今回の研修目的は、部下や同僚からの相談に対する自信をつけることとし、相談対応や日頃のコミュニケーション活性化のために「相談対応」の態度や技術を習得することとした。研修は90分で1回のみ実施したが、上司として求められる、共感と傾聴力、自己統制力、気づく力、社交性に関しては一定の効果が得られたと考えられる。しかし、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態を示すワーク・エンゲイジメント得点は低くなっていた。介護福祉の現場は人員配置に余裕がない上に、心理的緊張度が高いまま、リーダーの役割を担わなければならない実状もある。今後は今回の研修プログラムに、精神的緊張が緩和できるようなプログラムも加える必要が示唆された。
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