2012 Fiscal Year Research-status Report
社会福祉の支援を再考するための障害者主体組織による支援の思想と技法の定性的研究
Project/Area Number |
24530713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
横須賀 俊司 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (60304193)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自立生活センター |
Research Abstract |
本年度に設定した課題は二つあった。まず、フィールドワークにより組織構造と支援の実践を明らかにすることである。これについては、フィールドワークを進めるうちに、組織がどのようにして生成してきたのかを踏まえる必要性があることに気づくようになった。それは、組織独自の価値観、行動様式などが組織の設立過程と密接な関係にあるためである。そのため、本年度は組織の成立過程を、関連する資料の収集や関係者のインタビューなどをしながら、明らかにしていくことに変更した。それにより、当初に予定していたフィールドワークの回数を1.5倍ほどに増やし、予定変更した分のデータ収集などに充てた。これらの結果、次のような成果を得ることができた。対象とした組織は自立生活運動の潮流の一つを形成する「車いす市民全国集会」を出自としていることが明らかとなった。車いす市民全国集会は、他の潮流の運動と比較すると、アメリカの自立生活運動と親和的であり、したがって、その理念や手法についても近しいものであることがわかった。 次に文献研究であるが、これについてはフィールドワーク理論等の学び直し、組織論の整理と理解、社会学領域での支援研究の整理と理解という課題はおおむね計画通りに進行することができた。これにより、フィールドワークを実施し、データを分析するに当たっての最低限の準備は整ったといえる。また、組織論や支援研究の知見を取り入れて、フィールドワークから得られたデータなどを解読していくにあたっての発想や枠組みの基盤を整えることができたともいえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」でも記しているとおり、当初の研究計画を若干変更している。それは研究目的を遂行するために必要不可欠な変更であった。したがって、変更を避けることは、当初に掲げた研究目的から外れてしまうことを意味している。しかし、計画から外れているとはいえ、研究の全体から見ると、許容範囲と思われる程度のものであり、今後の研究遂行に当たって重大な支障となることはないといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、フィールドワークと文献研究を進めていく。やや遅れている分については、スピードを速めて、穴埋めできるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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