2013 Fiscal Year Research-status Report
高度経済成長期における児童福祉調査研究~その蓄積と表象~
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24530715
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
加登田 恵子 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (30139365)
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Keywords | 児童労働 / 児童問題 / 高度経済成長期 |
Research Abstract |
主要な研究機関等に所蔵する調査資料を検索して作成した「暫定版調査リスト」の小分類別チェックを行い、とくに「労働児童調査」の捕捉資料蒐集と合わせて「長期欠席・不登校」関連の主要調査を収集した。資料蒐集にあたっては、法政大学大原社会問題研究所ならびに日本社会事業大学において現地調査を行った。また、児童の労働と教育の接点として注目されている「キャリア教育資料」について、刊行された復刻資料を参考資料として購入し複写資料を補完した。現在、それらの収集資料の解析作業を積み重ねているところである。 その結果、家庭の貧困を背景とする義務教育期間中の学童の保護への視点から、産業政策に基づく年少労働の育成と家庭から離れた青少年保護へと変化し、さらに高等学校進学率の向上とともに、労働者養成に関する社会問題的認識から、中途退学・不登校といった家庭を背景とする児童問題への認識へと変化して行く様子が省察された。 最終年度である平成26年度は、労働と学校教育ならびに家庭の3局面に関連付け、高度経済成長期の児童問題の発現(社会問題化)について構造的な分析を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各地の資料収集等、基礎調査は概ね順調に推移しているが、原本の読み込み作業に時間がかかり、特定の切り口にそって検証結果を各論として公表する予定が遅れていることから「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、研究成果の取り纏めの年度であることから、これまで収集した資料のまとめと、分析・検証作業に力を傾注し、報告レポートあるいは論文の形で公表したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
資料集調査の実施可能日程と、当該大学・機関の開館日程と合わなかったため、調査日程が短縮されたため旅費の支出が若干減少した。また、現地による複写費単価が比較的高額であったため、なるべく原本を借り出し、所属大学において複写をおこなったため、「その他」の複写費が減少した。 平成26年度は最終年で纏めの期間であるため、資料捕捉調査についてはなるべく早い時期に設定し、後半は蒐集資料の分析・検証作業に集中する予定である。
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