2013 Fiscal Year Research-status Report
限界集落の地域的孤立化を基盤とする要援護者の孤立化問題と生活支援
Project/Area Number |
24530717
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
田中 きよむ 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00253328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 利亮 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00310897)
玉里 恵美子 高知大学, その他の研究科, 准教授 (40268165)
霜田 博史 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50437703)
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Keywords | 限界集落 / 孤立化 / 地域包括ケア / 共生 / あったかふれあいセンター / 集落活動センター / 地域福祉(活動)計画 |
Research Abstract |
地震等による自然環境の変化、人口構造の少子高齢化、雇用低下や地域経済の衰退、交通・水・買い物・住宅等の生活基盤の維持困難を複合的な背景とする限界集落の「地域」的孤立化を基盤として、「個人」の孤立化がどのように進行するかを明らかにした。すなわち、地域の中での集まる機会が減少し、心の拠り所となる居場所や主体的な活動機会が十分に確保されておらず、専門職ベースと住民ベースの個別支援のアプローチが不十分である場合に、孤立化や孤独死が生じやすい地域構造が存在する。 そのような個人的孤立化の地域課題に対して、高知県内外の市町村・地域の住民主体の活動実態をふまえ、ミクロ・メゾ・マクロレベルの3次元の取り組みが有効性をもつことを仮説として提示した。ミクロ・レベルでは、独居高齢者への支え合いマップづくりや障害者、子どもへのテーマ別アプローチ等による専門職間や住民間の問題認識の共有化、それをふまえた小地域ケア会議(専門職ベース)や小地域ネットワーク(住民ベース)を通じた個別課題から地域課題への抽出化、そして、課題解決に向けた地域包括ケアの構築ともに(専門職ベース)、高齢者・障害者・児童の垣根を越えた共生の関係づくり(住民ベース)の方向を示した。 個別支援と地域づくりの中間項をなすメゾ・レベルでは、高知県独自の施策として各市町村・地域に展開されている「あったかふれあいセンター」や「集落活動センター」、県外の共生型の居場所を拠点とする取り組みに見られるように、高齢者等の心の拠り所となる居場所づくりや地域の課題解決に向けた主体的な活動機会づくりが、住民相互が円のように集まることを通して積極的な孤立化防止につながることを明らかにした。マクロ・レベルでは、住民主体の地域福祉(活動)計画づくりの有効性を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画である「限界集落の地域と個人の孤立化防止に向けた目的分析」を概ね終えただけではなく、平成26年度の研究実施計画の一部である「共生型拠点づくりを通じた孤立化防止対策の有効性の検証」にも着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究実施計画である「限界集落の地域と個人の孤立化防止に向けた目的分析」、および平成26年度の研究実施計画の一部である「共生型拠点づくりを通じた孤立化防止対策の有効性の検証」を補足するための地域調査を進めるとともに、平成26年度(三年間の最終年度)の最終目的である「中山間地域の限界集落における要援護者の孤立化防止に向けた支援モデルの構築」に向けて、地域福祉学、地方行政学、地方財政学、地域・家族社会学の知見をふまえた総合的アプローチを相互連携しながら進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
想定していたほどの研究設備費、図書費、旅費などの使用に至らず今年度の計画が進められた結果である。 最終年度の研究計画の目標達成に向けて、平成25年度分の残額と平成26年度の請求額の合計額通りの執行を行う予定である。
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Research Products
(4 results)