2012 Fiscal Year Research-status Report
プロシューマーが提供するサービスの意義および効果に関する包括的研究
Project/Area Number |
24530724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
相川 章子 聖学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60383303)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ピアサポート / ピアサポーター / ピアスタッフ / プロシューマー / ピアスペシャリスト / ポジション / 協働 / スーパービジョン |
Research Abstract |
今年度は3年間の研究のうちの初年度として、日米におけるフィールドの決定、全国調査の準備および実施、日本におけるインタビュー調査、アメリカにおけるプレ調査を実施した。フィールドの選定については、全国4ヶ所(埼玉、新潟、宮城、福岡)におけるグループインタビュー調査の実施の導入およびプレ調査を実施した。またピアサポート講座およびピアサポーター養成講座を実施し、その効果について3年間を通して検証することとした。 法律的な規定はない「ピアサポートセンター」なるものが設立されている実態を受け、ピアサポートセンターのフィールド調査を実施し、わが国におけるピアサポートセンターの可能性について3年間をとおして考察することとした。そのフィールドの選定および依頼を初年度に2ヶ所にすることができた。 また、全国の実態調査として、「全国ピアスタッフの集い」を東京にて開催し、プロシューマー63名を対象としてアンケート調査による実態調査を実施した。そのなかで、①呼称として「ピアスタッフ」が最も広く使用されている。②ピアスタッフの雇用は2000年頃から盛んになり始めている。③非常勤雇用が多く、不安定な雇用が多い。④仕事内容も、相談業務、事務的業務、プログラム運営、訪問と多岐にわたっている。⑤研修やスーパービジョンの機会が不十分である。⑥ピアスタッフのネットワークができること、普及啓発、資格化や制度化を求める声が多い。⑦ピアスタッフの集いへの評価は高く、継続的な開催を望む声が多い、という結果が得られ、全国の現状と課題が浮き彫りとなった。 これらはグループインタビューで得られた語りとも共通することが多い。グループインタビューでは、さらに①他の専門職等のスタッフとの協働、②立ち位置のあいまいさ、③自らの健康管理、④業務内容、等に関する語りは多く得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度前半にフィールドの選定および依頼、グループインタビューの実施、ピアサポート講座等の計画、実施等順調に進行することができた。これからピアサポートに関する講座を開始し、ピアサポーターを養成を検討しようとする地域を選定し、3年間の意識の変化を追跡することにより、ピアサポート講座の効果分析、またプログラム検証等を行うことができるようになった。 また、ピアサポートセンター2ヶ所における定期的なフィールド調査を開始することができ、わが国が描くピアサポートについて検討を深める可能性が広がった。 さらに、全国実態調査として、「全国ピアスタッフの集い」の計画、立案し、実施することができた。わが国では未だプロシューマーの実態調査がなされていないなかでは、画期的なデータを得るに至った。それによって、わが国の実態が浮き彫りになり、加えてアメリカとの比較が可能となった。 会計事務処理が遅れており、収支報告に反映されていないが、内容的には上記の通り順調に進展、実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、2012年度に選定したグループインタビューのフィールド4カ所の継続的なインタビューの実施を継続する。また、ピアサポート講座等によるプロシューマーおよび専門職の意識の変化についてアンケート調査等量的調査によって考察を行なっていく。養成講座についてはどのようなプログラムが必修であり、具体的な方法をどのようにすべきかなど、アメリカの養成講座等の先行例を参考にし、グループインタビューおよびアンケートによる結果を踏まえ、2014年度までに構築していく。 全国実態調査については2013年度にも「第二回全国ピアスタッフの集い」を開催するものの、2014年度の開催において、初年度と同様のアンケート調査を実施し、3年間の比較を行い、実態の把握とともに、わが国のプロシューマーの動向について捉えていく。 アメリカのプロシューマーについては引き続きインタビュー調査を継続し、認定ピアスペシャリスト制度が確立して以降の変化について追跡調査を実施する。主にウィスコンシン州マディソンをそのフィールドとする。また、アメリカのピアスペシャリスト養成プログラムの調査および検証としてニューヨークのハウイーザハープ(Howie the Harp)およびジョージア州アトランタで開発されたジョージアモデルのプログラム内容の調査を実施したい。 2012年度は会計事務処理が滞ってしまっていることから、事務処理を行う人材を確保し、スムーズな事務処理を行えるよう工夫する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
合計:2,792,420円を使用する予定である。内訳は以下のとおりである。 消耗品費計 160,000円(質的データ分析ソフトMAXQDA) 旅費:日本におけるフィールド調査 1,152,420円(埼玉10回×360円=3,600、上越7回×18,360円=128,520円、中越5回×18,380円=91,900円、仙台5回×20,140円=100,700円、福岡4回×77,700円、全国ピアスタッフの集い実行委員会25名×3回×10,000円=750,000円)、旅費:アメリカにおけるフィールド調査 550,000円(ニューヨーク、ジョージア、ウィスコンシン) 謝金等:980,000円(日本におけるプロシューマー等インタビュー協力 50名×3,000円×2回=300,000円、アメリカにおけるプロシューマー等インタビュー協力30名×3,000円×2回=180,000円、テープ起こし 500,000円) 調査委託金:500,000円
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Research Products
(12 results)