2013 Fiscal Year Research-status Report
プロシューマーが提供するサービスの意義および効果に関する包括的研究
Project/Area Number |
24530724
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
相川 章子 聖学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60383303)
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Keywords | ピア / ピアサポーター / ピアスタッフ / ピアスペシャリスト / 経験 / ポジション / 協働 / スーパービジョン |
Research Abstract |
2年目となる今年度は、1.全国調査の継続実施 2.日本4か所(埼玉、新潟、宮城、福岡)におけるインタビュー調査を実施した。 1.全国調査の継続実施 今年度も昨年度に引き続き「第2回全国ピアスタッフの集い」を開催し、参加者へのアンケート調査およびウェブによる調査を実施し、集計および考察を行った。そのなかで、ピアスタッフの効果および意義については昨年度同様に「自分だけじゃないという利用者の安心感、安堵感につながる」「体験を共有していることで支援者と被支援者の距離が縮まる」「援助することが援助される体験となり、元気になり成長できる」などの回答が多かった。ピアスタッフの活動に関する不安困難、課題についても、昨年とほぼ同様の結果が見られ、「給与・報酬や保険制度の整備が不十分」「研修やスーパーバイズの機会が不十分」「ピアスタッフが調子を崩さないか不安」「利用者との心理的な距離の取り方が難しい」などの回答が多かった。ピアスタッフの活動に将来必要なことについても昨年と同様の結果であったが、「ピアスタッフの活動をより多くの人に知ってもらう(普及啓発)」と回答したものの割合が増加した。(p=.012) 2.全国4か所におけるインタビュー調査 新潟、宮城、埼玉、福岡の4か所にてプロシューマーへのグループインタビューを実施し、プロシューマーの各地域における萌芽および提供するサービス、働いているうえでの課題および可能性について考察を深めた。また、プロシューマーの雇用主および同僚等へのインタビューを実施した。なお,新潟、宮城、埼玉おいては講座開始時および終了時にアンケート調査を実施し、3年間の縦断的調査に基づく分析および考察を実施する予定である。 なお、アメリカにおけるインタビュー調査については今年度は実施せず、来年度の予定とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、各フィールドにおけるピアサポート講座等の実践を伴うインタビュー調査及びアンケート調査を順調に実施することができた。ピアサポーター養成にあたって、養成プログラムの開発及び検証を実施することを目的に、各地にてピアサポート講座及びピアサポーター養成講座を実施し、参加者(プロシューマーおよび専門職者等)の意識の変化についてインタビューを実施した。 さらに、全国実態調査として、「全国ピアスタッフの集い」の計画、立案し、実施することができた。わが国では未だプロシューマーの実態調査がなされていないなかでは、画期的なデータを得るに至った。それによって、わが国の実態が浮き彫りになり、加えてアメリカとの比較が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は3年計画の最終年度であり、これまで2年間実施したフィールド調査の分析およびアウトプットに力を入れていきたい。 具体的には昨年度選定したフィールド4か所の継続的なインタビューを継続実施するとともに、3年間の変化について分析を同時並行に実施する。また、ピアサポート講座等によるプロシューマーおよび専門職者の意識の変化について、アンケート調査等量的調査について分析・考察を行い、各フィールドへのフィードバックを行い、研究成果としてまとめていく。 全国実態調査については、次年度(2014年度)も「全国ピアスタッフの集い」参加者へのアンケート調査の実施、3年間の比較を行い、実態把握と共に我が国のプロシューマーの現状把握を深めたい。3年間の比較も加えて、現状と動向に関する考察を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は3年計画で遂行しており、次年度は最終年度となる。次年度も引き続き国内外のフィールドワークを継続し、3年間の縦断的調査を行う。加えて、3年間の調査分析を実施し、研究成果としてまとめ、発表する。そのため、次年度にはフィールドワークのための旅費、謝金、加えて学会参加のための旅費、参加費、アウトプットのための印刷費等が必要となる。 次年度使用予定額は1,066,015円である。上記の理由から、使用計画は以下の通りとなる。 <消耗品費>163,895円(質的データ分析ソフトMAXQDA160,000円、他3,895円)<旅費> 日本におけるフィールド調査 132,120円 (上越18,360円×3回=55,080円、中越18,380円×2回=36,760円、仙台20,140×2回=40,280円)海外におけるフィールド調査 250,000円(ニューヨーク、ウィスコンシン)<印刷費> 20,000円 <調査委託金> 500,000円(全国調査入力、分析等)
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Research Products
(7 results)