2012 Fiscal Year Research-status Report
EPA外国人介護福祉士候補者への支援態勢が国家資格取得に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
24530726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
赤羽 克子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (90369398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
佐藤 可奈 聖徳大学, 心理・福祉学部, 助教 (90595894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 介護福祉士 / 社会学 / EPA |
Research Abstract |
本研究は、EPA外国人介護福祉士候補者を受け入れた施設の支援態勢が候補者の学習意欲向上に及ぼす影響を検討し、研究の成果は今後の外国人候補者を受け入れる際の課題を提供・EPAへの政策提言を可能にすることを目的としたものである。平成24年度は、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度の4ヵ年間にEPAに基づいて来日したインドネシア人およびフィリピン人の介護福祉士候補者を受け入れた、国内全ての介護施設(281施設)を対象として質問紙調査を実施した。主な調査項目は、①施設の人材不足の実態、②EPAでの受け入れ実態:動機、方針、評価、職場の変化、③受け入れ施設の支援態勢:賃金、就労時間、職場環境、学習時間の配分、④日本語などの学習支援状況:日本語専門教師の配置、国家試験対策支援チ-ムの編成、⑤介護知識の習得状況:介護知識、技術の水準、利用者とのかかわり、⑥EPAに対する意見や今後の外国人雇用計画などについてなどである。得られた回答をデータ化し、単純集計と項目ごとのクロス集計を行った。そこから得られた知見は次の通りである。 (1)EPA外国人介護福祉士候補者を受け入れた主な動機は、将来の介護職員不足に対する備え、介護施設協会などからの依頼が大半を占め、施設別でもほぼ同様な傾向がみられた。 (2)EPAを受け入れた施設は、就労と学習時間の確保についてとくに苦労が多く、国家試験の対策まで十分に手が回っていない状況が明らかになった。 (3)受け入れ施設のEPA研修担当者の能力、努力、熱意など介護福祉士候補者が日本語や日本文化を習得し、日本社会への適応の鍵を握ることが明らかとなった。 今後は地域別、施設の種類別などのデータ分析やインタビュー調査を行いEPAの今後の在り方への政策提言を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、インドネシア人、フィリピン人介護福祉士候補者及び受入れ施設への質問紙調査とインタビュー調査を基に、外国人介護福祉士候補者の就労状況、日本語学習の状況、介護福祉士国家試験受験対策等の現状と課題を明らかにし、それを基にEPA制度のあり方や外国人介護福祉士候補者への支援態勢のあり方を検討することを目的としたものである。 平成24年度は、EPAに基づいて来日したインドネシア人およびフィリピン人の介護福祉士候補者を受け入れた国内全ての介護施設(281施設)を対象として質問紙調査を実施し、単純集計とクロス集計を行った現段階で、先行研究の知見を検証することができ、また新たな知見を得ることができた。本調査で得られた新たな知見を基に平成25年度の介護福祉学会において発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に実施した質問調査を基に多変量解析や検定とインタビュー調査行う。データ分析やインタビュー調査をもとに、質問紙調査の項目とインタビューから得られた結果との関係に着目しながら、地域性、施設規模、法人組織などが外国人介護福祉士候補者の受け入れに及ぼす影響を検討し解明する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はインタビュー調査を実施する。このための国内旅費、国内で研究報告を行うための費用等で600千円を計上する。また、調査実施に伴いアルバイト2名を5日間雇用するための費用50千円、データ保存のための各種メモリー媒体やプリンターインク代等の物品費として50千円、その他、印刷費、複写費、通信費、会議費に10千円を計上する。 平成24年度研究費の繰越金は202,365円発生した。これは関東の調査対象施設を効率的に訪問したことによる。平成25年度は全国規模でのインタビュー調査を予定しており、600千円では不足する可能性がある。平成24年度の繰越金と合算しインタビュー調査に充当する。
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