2012 Fiscal Year Research-status Report
キャリア・コンピテンシーモデルを活用したスーパービジョンプログラムの実証的研究
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24530730
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小原 眞知子 東海大学, 健康科学部, 教授 (50330791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 和女 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (20257083)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キャリアコンピテンシー / スーパービジョン / 保健医療ソーシャルワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は保健医療領域におけるスーパービジョン体制のモデル化をプログラムと捉え、それを効果的に実施するために、近年、欧米で注目を集めているプログラム理論を用いてその可能性を検討する。平成24年度は保健・医療機関からスーパービジョン体制に関するフィールド調査と量的調査のパイロットスタディーを行った。そこからプログラムモデル策定に必要なゴールの明確化とゴール達成のために効果的と思われる実施要素の抽出をすることを目的とした。 研究1としては、医療ソーシャルワーカー(以下、MSWと略す)を対象とし、スーパービジョンの現状と実際を把握することとした。研究方法としては、文献調査、パイロットスタディーとして、量的調査、質的調査を行った。量的調査では医療機関に勤務する日本医療社会福祉協会のMSWを対象に質問紙調査(無作為抽出)を実施した(有効回収票数198名,回収率:32.6%)であった。調査結果から、現状ではスーパービジョンを院内スーパーバイザーから受けているもの、さらに所属する病院以外からスーパービジョンを受けているものあった。しかしながら、現状ではスーパービジョンが必ずしも十分に機能していないこと、必ずしもそれが、十分なサポート体制でないことが明らかになった。また、医療ソーシャルワーカーを対象としたインタビュー、及びグループインタビュー(以下、FGIと略す。)を行った。研究方法は質的研究として対象者を医療ソーシャルワーカー1名にインタビュー、4名にFGIを行った。研究結果からインタビュー調査をもとにミクロ,メゾ・マクロと分けて、スーパービジョンの概念整理のための分析を行った。"
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はソーシャルワークスーパービジョンのためのキャリア・コンピテンシーモデルに関する理論枠組みの検討とニーズアセスメントを行うことである。プログラムの効果的モデルを提示このプログラムが目指す仮ゴールとして設定し、(1)スーパービジョン体制とキャリア・コンピテンシーモデル項目に関する量的調査、(2)既存のスーパービジョンのプログラムのインタビュー調査を行い、スーパービジョンにおけるニーズアセスメントを行うことであった。 (1)量的調査では、保健・医療機関からスーパービジョン体制に関する量的調査のパイロットスタディーを行った。そこからプログラムモデル策定に必要なゴールの明確化とゴール達成のために効果的と思われる実施要素の抽出をすることを目的とした。研究1としては、医療ソーシャルワーカー(以下、MSWと略す)を対象とし、スーパービジョンの現状と実際を把握することとした。研究方法としては、文献調査、パイロットスタディーとして、量的調査、質的調査を行った。量的調査結果から、現状ではスーパービジョンを院内スーパーバイザーから受けているもの、さらに所属する病院以外からスーパービジョンを受けているものあった。しかしながら、現状ではスーパービジョンが必ずしも十分に機能していないこと、必ずしもそれが、十分なサポート体制でないことが明らかになった。 (2)インタビュー調査では質的データ分析法を用いてゴール達成のために必要かつ効果的と思われる実施要素を精査した。これらの結果を受けて、キャリア・コンピテンシーを活用したソーシャルワーク・スーパービジョンプログラムのためのインパクト理論を打ち立てる予定にある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った評価調査を踏まえ、暫定的効果モデルを提示し、それに基づいたツールキッドと実施ガイドラインを作成することを目標とする。前年度の調査から、既存のモデルの問題点や課題を明確にした上で、実践上の課題やその解決方法として暫定的効果モデルを提示する。プログラムの目標は組織の理念や方針が達成されるように、そのプログラムによる直接的な効果(アウトプット)と間接的な効果(アウトカム)を整理することで、理想的かつ、実現可能なプログラムインパクト理論の構築を行う。 具体的には、4領域から積極的にスーパービジョンを行っているベテラン専門家や組織内責任者を各1人、合計4人からなるグループの合意形成を目的としたデルファイ法を取り入れたグループインタビュー(以下、GIと略す。)を3回程度実施する(小原責任者)。これは、研究の趣旨に同意が得られた方々を対象にこのプログラムのモデル化によって達成されるもの、期待される成果や効果について参加者全員で合意形成を行う。データの収集方法として、デルファイ法の一般的手順に沿って、2時間程度のグループインタビューを行い、許可を得てICレコーダーに録音する。データの分析方法は、逐語録を起こし、内容分析法を援用する。これらの分析が終了したのち、全体委員会でプログラムモデル作成とプログラム評価デザインを行う。さらに、具体的なプログラムのツールキッド及びガイドラインの作成を行う(福山責任者、合同検討会実施)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究調査旅費では4機関×2ヵ所(20000円)×1人×3回=48万円が見込まれている。また協力機関謝金として4機関×2ヵ所×(10000円)3回=24万円が見込まれる。さらに資料整理及び研究補助(1人×週2日×6か月)時給950円換算=38万5千円を見込んでいる。会議費(15000円)×5回(会場費)=7万5千円、そのインタビューなどのテープ起こしを8か所×3回×1h=(10000円)=31万5千円として見込んでいる。 さらに、量的調査 郵送費、印刷費など4000人×300円、さらにアンケート分析費用など=50万円を見積もっている。
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Research Products
(4 results)