2013 Fiscal Year Research-status Report
キャリア・コンピテンシーモデルを活用したスーパービジョンプログラムの実証的研究
Project/Area Number |
24530730
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小原 眞知子 東海大学, 健康科学部, 教授 (50330791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 和女 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (20257083)
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Keywords | スーパービジョン / 運営管理 / 臨床教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は保健医療領域におけるスーパービジョン(以下、SVと略す。)体制のモデル化をプログラムと捉え、それを効果的に実施するために、近年、欧米で注目を集めているプログラム理論を用いてその可能性を検討する。 平成25年度は保健・医療機関からSV体制に関するフィールド調査として2つのことを行った。(1)海外視察およびインタビューを行った。(2)我が国の現状を把握するためにSVを担っているソーシャルワーカーに対してフォーカスグループインタビュー(以下、FGIと略す。)を行い、その分析を行った。 (1)海外調査では、精神保健領域も含む保健医療ソーシャルワーカー5名にインタビューを行った。その結果、米国においては組織のスーパーバイザー(以下、SVerと略す。)は臨床的教育SVよりも組織運営管理や業務管理など、管理業務が大半を占めていた。また、臨床教育SVは専門家より訓練を受けており、SV体制は組織の中に位置づけられており、複数のSWerによって成り立っていた。 (2)我が国における保健医療領域におけるSVerのFGIにおいては、その目的を十分に活用し、有機的・機能的なスーパービジョン体制のモデル構築することとし、具体的には、医療機関で行われているスーパービジョン体制について、ニーズアセスメントを行い、ゴール及び目標を明確化することを目指した。研究結果からインタビュー調査をもとにミクロ,メゾ・マクロと分けて、スーパービジョンの概念整理のための分析を行ったが、組織内SV体制が未確立であり、組織によって差異が生じている。教育的SVに関しては、外部委託若しくは個人的努力によりなされており、組織内体制をどのように構築するかが課題として挙げられた。 以上のことから、組織内スーパービジョン体制の構築暫定モデルを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年は24年度に行った評価調査を踏まえ、その資料をより精査するために、米国の保健医療福祉分野のソーシャルワーカーにインタビューを行い、文献だけではない欧米の状況を把握した。またソーシャルワークスーパービジョンの暫定的モデルを構築のために、フォーカスグループインタビュー(FGI)を行った。、それに基づいたツールの作成及びガイドラインの作成に関しては現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年には暫定モデルを実際に現場のソーシャルワーカーと共にアウトカム評価を行う。医療機関の代表者を対象としたフォーカスグループインタビューを行い、アウトカム指標を策定する。それに基づいて本モデルの妥当性の検証を行い、モデル修正及びツールや実践ガイドラインの改定を行い冊子として刊行する。また実践・普及のためのワークショップ形式の研修を開催する予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度はグループインタビュー(以下、GIと略す。)を3回程度実施する予定であったが、その回数の実施が不可能であった。そのために人件費、データの逐語録を起こし費用が使用できなかった。現場で活用できるプログラムまでには策定できなかったので、参与観察による出張費用、謝金などが余ってしまった。これに関しては、今年度すでに取り組んでいる。 今年度は、平成24年度にやり残した課題として、積極的にスーパービジョンを行っているベテラン専門家や組織内責任者を各2人、合計8人からなるグループの合意形成を目的としたデルファイ法を取り入れたグループインタビュー(以下、GIと略す。)を3回程度実施する。これらを策定後に再度グループインタビューを行い、策定したプログラムのプロセス評価を行うため、それぞれの現場のスーパービジョン体制にこのモデルを採用し実施する合意を得る。プログラムを実施する施設・機関に出向き、実施前、3か月、6か月、12か月の合計4回にわたって、プログラムモデルを実施しているソーシャルワークスーパービジョンの観察プロトコルを作成し、実際に参与観察(observation)による間接的データ収集と、インタビューを行い、直接的データ収集を行い、プログラムの継続評価、並びにモニタリングを行うこととする。
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