2013 Fiscal Year Research-status Report
障がい児家族ケアラーのストレス対処力SOC支援向上モデルの構築
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24530731
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大宮 朋子 東邦大学, 看護学部, 助教 (90589607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
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Keywords | Sense of Coherence / 障がい児 / 家族ケアラー / 介入 / 比較 / 口唇口蓋裂 / 母親 |
Research Abstract |
平成25年度は、昨年度インタビューを実施した14名の先天性疾患児を持つ親(母親13名、父親1名)について、分析を行った。その結果、配偶者、義両親、医療者からの忘れられない(辛い)言葉の有無、重要他者からサポートを受けたという実感の有無、生活拠点における地域への信頼と暮らしやすさの有無がSOCの高低に関連する可能性が考えられた。また、出産直後からの不安と困難な日々を過ごす中で、時間の経過と周囲の支えによって、「この子を産んだからこそ得たものがある」という思いに至ることが分かった。このことは多くのインタビュー協力者から語られた。これについて、SOCの得点による差はインタビューの結果からは明確ではなく、その理由として、SOC得点が全国平均(44.1)を下回ったSOC低群が4名のみであったことが可能性として考えられる。 このインタビュー結果を踏まえ、質問紙を作成した。質問紙は、所属大学内の倫理審査委員会の承認を得て、先天性疾患の親が参加しているセルフヘルプグループの会員約600名に配布する予定である。質問紙調査では、基本属性や治療歴のほかに、重要他者との関係性、SOC13項目5件法版、ソーシャルキャピタル、Perceived Positive Change(PPC)の項目をたずねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年行った口唇口蓋裂児の母親13名に対するインタビュー結果を踏まえて質問紙案を作成した。その後、口唇口蓋裂友の会(以下、口友会)と複数回にわたり会議を開き、質問紙内容を検討した。口友会が関係する質問紙調査は約10年ぶりであり、詳細にわたる検討が必要であった。また、障がい児の母親を対象とする質問紙調査ということもあり、所属大学における倫理審査通過までにかなりの時間を要した。先天性疾患児を産み育てている母親はセンシティブな対象であるため、質問紙のリード文をはじめ、研究者として尋ねたかった質問項目内容が厳しいのではないかという指摘が複数あった。指摘に対して研究者は、質問紙対象者である母親と口友会の役員とで検討を行い、回答をするのに極めて膨大な時間を要した。以上が研究が遅れている原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年6月から7月にかけて質問紙を配布し、9月までに回収し、分析を行う予定である。 また、インタビューの結果の学会発表を実施することを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙作成に際し、アンケート協力者であるセルフヘルプグループとの調整・検討に時間を要した。また、口唇口蓋裂児の母親といったセンシティブな対象に行う調査であるため、質問紙の倫理審査において詳細にわたる指摘があった。その結果、倫理審査通過にかなりの時間がかかってしまった。、 質問紙調査に関わる費用として、調査票印刷(質問紙、封筒等、返信用封筒)、調査票送付・返信用切手、返送された調査票データ入力、発送作業等人件費、文具等に支出する予定である。 その他、論文投稿(英文校閲等・投稿料)備品購入費用(パソコン、書籍等、文具)、学会発表等旅費、データ分析用統計ソフトSPSS、会議費、謝金に支出する予定である。
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