2015 Fiscal Year Research-status Report
障がい児家族ケアラーのストレス対処力SOC支援向上モデルの構築
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24530731
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大宮 朋子 東邦大学, 看護学部, 講師 (90589607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ストレス対処力SOC / 障害児 / ソーシャルキャピタル / 口唇口蓋裂 / 母親 / 肯定的変化 / 逆境下成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は主にこれまでの面接調査結果ならびに質問紙調査結果についての学会発表を、いずれも筆頭発表者として3本行った。 特に2015年11月は日本公衆衛生学会(長崎)のシンポジウムにて、「ライフステージにあわせたSOC(Sense of coherence)と健康支援」というセッションでの演者として登壇し、研究成果の発表を行った。具体的には、逆境下成長とSOCを従属変数とした重回帰分析を行い、ソーシャルキャピタル、医療従事者ならびに身近な人との情報や情緒的サポートの受領が、SOCの向上や逆境下成長(Perceived Positive Change:PPC)の促進と関連していることを報告した。 さらに、SOCの類似概念と言われるレジリエンス関連の先行研究の知見から、SOCが高くない人においては、逆境下成長を経験し自覚することで、depressionを防ぎ精神健康を保つことができ、結果としてSOCの向上につながる可能性を考察した。これは、SOC、逆境下成長、ソーシャルキャピタルの関係性を紐解くヒントとなる。SOCの向上にむけて、逆境下成長感を得られるような経験を得たり環境を整えるといった介入が考えられ、これらは対象者への具体的な支援の在り方を示すものであった。 今回は、口唇口蓋裂という1つの疾患のケアラーを対象とした調査であったため、次年度は重症心身障害児等、他の疾患での検討も行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象予定であった施設の代表者が変わり(人事異動)、調査への協力が難しいという判断に変わったため、新たに協力先を新規開拓していた。対象者が疾患や障害を抱えた児・者のケアラーであることから、新たな施設から協力を得ることがなかなか難しい状況であった。交渉の末、現在、ある施設から内諾が得られて調整を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、調査対象の家族ケアラーとして、重症心身障害児の母親を予定している。具体的には、連携研究者(平成28年度より)を通じて千葉県内の①特別支援学校に通う児を養育する母親 ②医療機関に比較的長期間入院している児を養育する母親 について、各施設長と内々の調整をしている。質問紙はすでに作成済である。 秋までに調査を終え、これまで調査を行った①口唇口蓋裂児の母親と合わせて1グループとしての分析 ②口唇口蓋裂児と重症心身障害児との2つのグループによる多母集団同時分析を予定している。
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Causes of Carryover |
もう一つの調査予定であったフィールドとの調整がうまくいかず、予定した調査が出来なかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在交渉中のフィールドに質問紙調査を実施する。調査回収数は150を目標にしている。 また、平成26年度実施調査の報告書の発行と実施した調査の国際学会発表を予定している。
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Research Products
(3 results)