2013 Fiscal Year Research-status Report
キンシップケアを行なう祖父母への支援策に関する研究―法制度整備の提言に向けて
Project/Area Number |
24530736
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
増田 幸弘 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40264171)
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Keywords | 祖父母 / キンシップケア |
Research Abstract |
研究2年目となる平成25年度は、基本的に当初の研究計画にしたがって研究を進めた。すなわち、昨年度の研究を継続するとともに、今年度は現地に赴いての情報・資料収集を行った。具体的には、次の作業を行った。前年度に引き続き、諸外国のキンシップケアに関する各種の報告書、法令、ガイドライン等の分析作業を行った。また、キンシップケアが普及しつつある背景を探ることを目的として、アイルランドと英国を中心に、高齢者を取り巻く社会・文化・歴史的な背景に関する文献・資料等の収集と検討を行った。加えて、アイルランドのダブリンに赴き、インタビューや資料の収集等を行った。 平成25年度の実績として、イングランドにおけるキンシップケアに関する法制度と政策に関する論稿を論文集(図書)に寄稿した。平成26年中に出版の予定である。また、平成24年9月の国際シンポジウム(ベルリン日独センター)における報告を踏まえた論稿「日本における単親―経済状態と社会給付」が掲載された図書が、平成25年10月に出版された。この論稿において、わが国の祖父母と孫の関係について言及している。学会報告等は行わなかった。なお、九州法学会第119回学術大会(平成26年6月)における個別報告の申請を行い、同大会での報告が承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に示した平成25年度の研究実績に鑑みると、現在までの到達度については、当初の研究計画に示した内容にしたがって概ね順調に進展しているものと考える。特に、今年度は現地に赴いて聞き取りや資料収集を行ったことで、次の展開につながる新たな知見を得ることができた。ただし、学会等で報告するには至らなかったことから、当初の計画以上に進展しているとまでは言えない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目となる平成26年度も、当初の研究計画にしたがって研究を推進する予定である。すなわち、まず平成25年度までの検討作業を継続する。それとともに、本研究の最終年度にあたることから、3年間にわたる研究のまとめの作業を行う。また、その過程において学会、研究会、講演会等で本研究に関する中間報告を行い、参加者との質疑応答や意見交換等で指摘された点を、研究成果の取りまとめに反映させる。研究成果の取りまとめに際しては、検討対象とした諸外国における制度政策の背景、動向、議論等を踏まえて、わが国における今後の望ましい制度設計に向けた提言を行うことを念頭に置くものとする。 また、研究費の使用についても、当初の研究計画の遂行に必要となる支出を行っていく予定である。
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