2014 Fiscal Year Annual Research Report
キンシップケアを行なう祖父母への支援策に関する研究―法制度整備の提言に向けて
Project/Area Number |
24530736
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
増田 幸弘 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40264171)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 祖父母 / キンシップケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、キンシップケアとして孫の養育を行う祖父母に対する支援策のあり方を検討することにある。研究の最終年度となる平成26年度も、引き続き基本的に当初の研究計画にしたがって研究を進めた。すなわち、前年度までの検討作業を継続するとともに、今年度は英国に赴き情報の収集を行った。 今年度は研究の成果を学会にて報告した(九州法学会第119回学術大会)。また論稿として「イングランドにおけるキンシップケアに関する法制度と政策」と「キンシップケア(kinship care)に関する英国法の動向」を公刊した。前者は前年度中に原稿を提出していたものであるが、その後の研究の進展に伴い今年度に入り新たに加筆等を行った。後者は前述の学会報告の内容をまとめたものである。これらの報告や論稿では、主な知見としてわが国の親族里親制度に内在する問題(キンシップケアの優先規定の欠如、扶養義務と関連づける親族里親のあり方等)を指摘するとともに、仕事とキンシップケアの両立支援の重要性と両立支援策が不十分な現状を指摘した。また後者はわが国特有の問題ではないことを示した。 以上に加えて、本研究の成果を地域に発信し生涯学習に資することを目的として公開講座を企画、実施した(日本女子大学生涯学習センター(西生田キャンパス)公開講座「『孫育て』の法と政策」平成26年7月19日)。 今年度は当初予定していた海外出張の時期が諸般の事情から遅くなったことから、現地で得られた情報を含む成果の取りまとめは助成期間終了後に行うこととなった。可及的速やかに取りまとめの作業を行うものとする。更に、本研究を踏まえて「祖父母と孫」に関する総合的な福祉政策の構想を展開して行きたい。
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Research Products
(3 results)