2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
新保 美香 明治学院大学, 社会学部, 教授 (20298053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 久仁子 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (10410507)
岡部 卓 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (40274998)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生活保護 / 自立支援プログラム / 評価 / 当事者 |
Research Abstract |
本研究は、生活保護受給者に対する「自立支援プログラム」の評価方法の現状と課題を受給者及び支援担当者の協力を得て質的調査によって明らかにするとともに、生活保護の3つの自立の実現につながる評価方法の開発を目的としている。3年計画の初年度にあたる2012年度は、以下のような調査研究を実施し、それぞれ成果が得られた。 ①「生活保護自立支援プログラム評価方法研究会」の実施(2回):関東近県の福祉事務所に勤務する生活保護担当職員(査察指導員・ケースワーカー)を招いての研究会。各回約80名の参加者と共に実践の共有・評価方法の開発を目的とするワークショップ等を行った。→(成果)自立支援の取り組み状況及び、担当者が感じる課題を把握し、評価の指標づくりに着手することができた。 ②相模原市との共同研究事業の実施:2012年10月1日に「共同研究協定」を締結し、研究会(7回:全体2回、調査研究班会議5回)子どもの支援(学習支援)に関するアンケートプレ調査及びインタビュー調査を行った。→(成果)中学生に協力を得て実施したアンケート及びインタビュー調査から、今後の学習支援をより効果的に実施するための示唆、および今後の評価指標づくりにつながる知見が多く得られた。 ③自立支援プログラム評価方法に関する訪問、ヒアリング調査(7回):横浜市・相模原市・会津若松市・大牟田市・古賀市への訪問調査及び釧路市福祉事務所長へのヒアリング等を実施した。→(成果)各地の自立支援およびその評価の取り組み状況を把握し、今後の評価指標づくりにつながる示唆が得られた。 その他、研究代表者・分担者による研究会を14回実施し、調査研究に関する検討、自立支援に関する文献および「評価学」に関する文献研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、①自立支援プログラムの評価方法の現状と課題の把握、②自立支援プログラムの評価方法に有用な評価指標・評価方法の解明、③支援を多面的に評価できる新たな評価方法野開発を研究目的としている。 今年度は、全体的に研究目的に沿って研究実施計画どおりに調査研究を推進することができたが、特に、2年目に予定していた「自治体との共同研究組織」を結成できたことにより、当初の計画以上に研究が進展したものと考えられる。具体的には、2012年10月に相模原市との共同研究協定を締結。その後、7回の研究会を開催し、子どもの学習支援プログラムに関連した「中学生の生活・学習状況への意識に関する調査」(プレアンケート調査・インタビュー調査)を実施することができた。初年度にこのような取り組みが実現できたことを生かし、更に調査研究を深めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2012年度の取り組みを発展させ、以下のように研究を推進していきたい。 ①「生活保護自立支援プログラム評価方法研究会」の実施(3回):2012年度にスタートした本研究会を今後も継続し、実践の共有化をはかるとともに、評価指標づくりをすすめていく。 ②相模原市との共同研究事業の推進:2012年度に実施した子どもの学習支援に関する調査を「アセスメントシートづくり」につなけていく。また、子ども以外の自立支援プログラム(就労支援・若者自立支援)に参加している利用者へのインタビュー調査等を実施する。 ③自立支援プログラム評価方法に関する訪問、ヒアリング調査:2012年度に調査できなかった自治体や担当者へのヒアリング調査を継続していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査に必要な旅費、専門知識の提供等にかかる謝金、図書購入等にかかる物品費を中心に計画している。研究の2年目を迎えるため、調査報告書作成のための印刷費、それらを研究会への協力自治体、協力者に送付するためのへの通信費も見積もっている。計画どおりの使用を心がけていきたい。
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