2012 Fiscal Year Research-status Report
リジリエンスによるソーシャルワーク実践方法の開発的研究-国際連携研究を通して-
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24530743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
秋山 薊二 関東学院大学, 文学部, 教授 (50133575)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カナダ |
Research Abstract |
平成24年度(初年度)計画のリジリエンス関連学術図書の収集を終了し、そのレビューに着手することが出来た。リジリエンス概念の読解と分析の一部が開始され、概念整理に向けた作業が行われている。平成25年3月3日~13日(実質研修4日~7日、連絡調整3月10日)には日本の連携研究者(副田、澁谷)と共にカナダ、Dalhousie University のRRCに赴き、RRCからの連携研究者(Dr. Ungar & Dr. Liebenberg)並びにスタッフからリジリエンス研究に関する研修を受け、質疑応答の研修を行った。その際、リジリエンス調査・研究に用いられている調査票、質問用紙及び学術論文等が提供され、これに対する質疑応答、討論を通し濃密な意見交換を行った。更に、フィールドの見聞も行った。これにより、リジリエンス概念の基本情報が集積し、概念理解も深まり、平成24年度計画の約90%は達成された。また、RRCの日本連絡事務所として研究代表者による、レジリエンス研究情報センターのWebを立ちあげ、内容的には充分ではないが、リジリエンス研究情報の発信を平成24年11月末より開始した。この中で現在把握されている範囲で、リジリエンス概念の提供を行った。また、このWeb立ちあげに伴い、ソーシャルワーク分野のみならず、心理学、社会学分野の研究協力者が出てきたことは、評価出来ると思われる。尚、研究成果の一つとして「リジリエンス関する問題点と課題」を、本WebからPDFで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リジリエンス概念研究の基礎資料である、必要な文献の収集を終えた。また、リジリエンスの調査・研究の具体的資料と具体的事例のDVDをカナダRRCより取得した。これらについて、カナダの連携研究者、RRCスタッフと意見交換を行い、その吟味、検討がおおよそ終了した。また、リジリエンスによる実践を行っている、カナダの児童保護施設訪問とそこのワーカーとの意見交換により、具体的実践の方法の理解が深められた。また、もう一つの計画である、Web立ちあげも行われ、リジリエンス研究に関する基礎的研究資料をアップロードし、不充分ながら、リジリエンス研究情報センター(RRICJ)として研究情報発信が開始された。これに対する反応も出てきている。これらを総合すると、平成24年度の研究活動により3年計画の本研究、最終目標の35%、本年度目標の90%が達成されたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の成果を踏まえ、平成25年度、平成26年度の計画は、基本的に当初の予定通り進めて行く予定である。 平成25年度においては、具体的事例の詳細な検討を行う。新たに加えて、3.11東日本大震災の被災者の児童を中心とした、リジリエンス調査方法による聞き取り調査を行う予定である。また、RRC連携研究者を招請し、他分野(心理学、社会学)からの協力者を交えたセミナーを開催し、リジリエンス概念、とりわけadversityに関して、その概念化に努める予定である。これにより、リジリエンスのソーシャルワークのアプローチ法として、アセスメント法、事例研究法の定式化に努める予定である。これらの活動内容については、順次平成24年度に立ち上げた、リジリエンス研究情報センター(RRICJ)のWebより発信する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の計画は、カナダRRCより二人の研究者を招聘し、セミナーを行う予定である。新たに3.11東日本大震災の被災者の児童を対象にしたリジリエンスに基づく聞き取り調査を行う予定である。これらを含め次の様な研究費の使用計画を立てている。 1)物品費(図書、備品費7万円):計7万円、2)旅費(カナダ-日本往復2名<含宿泊・日当>65万円、国内調査旅費10万):計75万円、3)人件費・謝金(セミナー・講演謝金4名20万円、ホームページ管理・資料整理5万円):計25万円、4)その他(通信費、印刷費3万円):計3万円 以上の合計1,100,000円の研究費予算の使用計画を立てている。当初の計画にはなかった国内調査が入ったため、2)は厳しいが、枠内でやり繰りする予定である。
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Research Products
(5 results)