2013 Fiscal Year Research-status Report
リジリエンスによるソーシャルワーク実践方法の開発的研究-国際連携研究を通して-
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24530743
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
秋山 薊二 関東学院大学, 文学部, 教授 (50133575)
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Keywords | リジリエンス / 国際連携研究 / カナダ・リジリエンス研究所 / ダルハウジー大学 / 国際研究者交流 / 国際訪問研究 |
Research Abstract |
平成25年10月5日には、カナダ、リジリエンス研究所(RRC)、デルハウジー大の国際共同研究者2名を招き、関東学院大学関内メディアセンターに於いて「リジリエンスの多様性とその探究」をテーマに国際シンポジュウムを開催した。講演は1)Dr. Liebenberg、2)研究代表、3)Dr. Ungar、4)招待講師専修大学教授の順に4人が、それぞれ心理学、家族ソーシャルワーク、コミュニティ・ソーシャルワーク、社会学の視点からリジリエンスを論じた。聴衆者との意見交換もあり有意義なセミナーを実施することが出来た。 セミナー終了翌日、上記2名の国際共同研究者並びに2名の連携研究者、計5名で、東北津波被災地域の調査に出掛けた。子ども支援を行っている大槌町NO、山田町NPOを訪問し実情視察を行った。更に、大槌町行政責任者と面会を行い、大槌町の復興計画と決定プロセス、その取り組みについて意見を聞けた。また津波を被りながら危うく一命を取り留めた被災者体験、大槌町の仮設住宅の生活実態について、当事者から聞き取り調査を行った。これらのインタビューから、地域のリジリエンス、心理的なリジリエンス、環境適応のリジリエンスなどが抽出されたと言える。これらの結果は、平成26年4月28日より5日間、カナダ・RRCで開催される、リジリエンス・ワークショップで発表を行う予定である。その後に論文作成を行い、日本もしくは海外の学術雑誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リジリエンス概念研究の基本資料点検を終えた。ここから、コミュニティ・リジリエンスの概念を構築するために、東北津波被災地の調査を2回行い、コミュニティ・リジリエンスの保護要素を確認することができた。これらの成果は平成25年10月5日、「リジリエンスの多様性とその探究」をテーマに掲げ開催した国際シンポジュウムにおいて、国際共同研究者2名、招待講演者1名の発表と共に、研究代表者である筆者が「ソーシャルワークにおけるリジリエンスとシステム理論: メゾシステムに見るリジリエンス」と題する発表を行った。これにより、コミュニティ・リジリエンスが具体的となり、ソーシャルワークの視点と方法の概念化の準備が整った。これらの活動、現地調査、海外研究者並びに国内防災社会学研究者との学術的研究交換により得られた知見を国内もしくは海外学術誌に投稿すべく現在準備中である。学術的な側面の進捗は順調である。しかし、Webでの公開の側面では遅れが見られ、これを取り戻すべく対策を鋭意検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
リジリエンス概念をソーシャルワーク実践方法に反映させるためには、人、地域、人の社会生態と環境の三つの側面から捉えなければならないことが見えてきた。平成26年度の研究は当初予定のまとめの時期に入るが、本年4月28日より5日間カナダで開催されるワークショップに連携研究者(澁谷、トロント大在外研究中)と共に参加し、本研究代表者の発表と共に諸外国のリジリエンス研究者との交流を深め、リジリエンス研究法を学ぶ予定である。また東北被災地での追加調査を夏期に予定している。この後、論文作成、マニュアルの作成等に傾注する予定である。 なお、遅れが見られる研究成果のWeb発信は夏期迄に回復させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年4月28日より5月2日の間、カナダ、RCCにおけるワークショップに参加することが必要となり、年度を跨ぐ研究費出費の可能性が生じたため、平成26年度交付予定額から平成25年度の使用が可となるよう、前倒し請求を行った。 平成25年度の科研研究費会計では40,601円の残額があるが、26年度交付予定額800,000円から500,000円を前倒し請求した。従って、平成26年度研究費の使用計画は840、601円が基になる。既にカナダでのワークショップ参加の航空券・ホテルの手配は済んでおり、その前払いが発生している。 1)物品(図書、PCソフト、備品)5万円、2)旅費(成田-Halifax往復1名、カナダ・Toronto-Halifax往復1名、東北被災地再調査)65万円、3)人件費・謝金(HP更新と管理、資料整理)10万円、4)その他(通信費・印刷費)4万円。以上の合計84万円の研究費の使用計画を立てている。全体的に厳しいが、枠内でやり繰りする予定であるが、物品等が費用不足の場合は大学付与の研究費でカバーする。
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Research Products
(4 results)