2013 Fiscal Year Research-status Report
中度要介護認定高齢者における居住場所別生活行動特性と要介護度変化との関連
Project/Area Number |
24530751
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
中村 亜紀 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (10411737)
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Keywords | 中度要介護度高齢者 / 要介護度推移 / 性差 / 居住場所 / 生活行動 / タイムスタディ |
Research Abstract |
2年間継続的に介護保険サービスを受給した要介護高齢者の居住場所別要介護度変化の検討を行った.男性で、中度(要介護2・3)在宅での悪化割合は52%、維持・改善割合は48%、施設入所での悪化54%、維持・改善46%(p=0.794).重度(要介護4・5)では在宅での悪化31%、維持・改善69%、施設入所での悪化36%、維持・改善は64%であった(p=0.244).女性では、中度(要介護2・3)在宅での悪化は46%、維持・改善は54%、施設入所での悪化66%、維持・改善34%(p<0.001).重度(要介護4・5)では在宅での悪化は30%、維持・改善は70%、施設入所での悪化40%、維持・改善は60%であった.女性は在宅居住者よりも施設入所者の要介護度が悪化する割合が多くなるが、男性では居住場所別での差はみられなかった. この結果を元に現在要介護3の認定を持つ80~90歳台男女を対象に12時間タイムスタディを進行中である.多床室とユニット型個室とにおいて姿勢及び他者とのコミュニケーション時間の比較を行っている.男性は多床室立位1時間54分、座位5時間21分、臥位4時間43分、ユニット型個室立位1時間22分、座位、8時間42分、臥位1時間55分であり、ユニット型個室の座位時間が有意に長く(p=0.024)、多床室の臥位時間が有意に長かった(p=0.040). 女性は多床室立位47分、座位7時間46分、臥位3時間26分、ユニット型個室立位2時間10分、座位、8時間31分、臥位1時間18分であり、ユニット型個室の立位時間が有意に長かった(p<0.001).職員及び利用者、面会者を含めたコミュニケーション時間は、男性多床室1時間8分、ユニット型個室1時間33分、女性多床室1時間43分、ユニット型個室入所者2時間33分であり、性別での比較でも有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は居住場所別の生活行動の差異が要介護度変化に影響を与える可能性を検討するものであり、平成25年度はその基礎調査である行動観察調査を前年度に引き続き行った。調査は被験者1名につき9時から21時までの12時間の観察を行っている。現在までに施設入所者多床室男性5名、女性5名、ユニット型個室男性5名、女性5名、自宅居住者男性1名、女性1名の調査が終了しており、これは全体調査計画数の73%にあたる。自宅居住中の要介護高齢者へは、自宅にカメラの設置等を依頼するため、調査協力が得られにくく、現在も関係諸機関の協力を得ながら被験者候補者との交渉を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も高齢者の行動観察調査を継続して行う。在宅での調査協力者の獲得には困難が伴うが、関係諸機関への協力を求めると共に、被験者本人及び家人に対して十分な説明と同意を得ながら進めていく。被験者に対して危険が生じないように行うことは言うまでもない。今年度は研究最終年にもなっており、学会等において成果の報告を更に進めると共に、集積されたデータから報告書の作成も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に実施予定の調査が、被験者の確保が困難なことにより目標数実施できなかった。そのため謝金、人件費、旅費等の使用が少なくなった。 今後調査を実施予定であり、昨年度の使用できなかった予算について今年度使用予定である。
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