2014 Fiscal Year Research-status Report
中度要介護認定高齢者における居住場所別生活行動特性と要介護度変化との関連
Project/Area Number |
24530751
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
中村 亜紀 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (10411737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中度要介護度高齢者 / 要介護度推移 / 性差 / 居住場所 / 生活行動 / タイムスタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
2年間継続的に介護保健サービスを受給した要介護高齢者の居住場所別要介護度変化の検討を行った。男性で中度(要介護2・3)在宅での悪化割合は52%、維持・改善割合は48%、施設入所での悪化54%、維持・改善46%(p=0.794)、女性で中度(要介護2・3)在宅での悪化割合は46%、維持・改善割合は54%、施設入所での悪化66%、維持・改善34%(p<0.001). 日中の行動内容についてタイムスタディを行い、施設入所者のうち、多床室とユニット型個室入所者において姿勢の保持時間を比較した。男性は多床室入所者の立位1時間54分、座位5時間21分、臥位4時間43分、ユニット型個室入所者の立位1時間22分、座位、8時間42分、臥位1時間55分であり、ユニット型個室入所者の座位時間が有意に長く(p=0.024)、多床室入所者の臥位時間が有意に長かった(p=0.040). 女性は多床室入所者の立位47分、座位7時間46分、臥位3時間26分、ユニット型個室入所者の立位2時間10分、座位、8時間31分、臥位1時間18分であり、ユニット型個室入所者の立位時間が有意に長かった(p<0.001).施設内職員及び利用者、面会者を含めたコミュニケーション時間は、居室種別及び性別での比較でも有意な差はみられなかった。男性では多床室で臥位時間が長くなっており、女性はユニット型個室入所者において立位時間が長く、多床室入所者よりも運動量が多く過ごしていることが推察され、居室条件により日中の行動内容に差異が生じていることが確認された。 現在在宅居住者のタイムスタディ10名を進めている。在宅要介護高齢者の生活行動内容の観察が進むにつれ、独居認知症高齢者の生活実態が明らかになりつつある。今後施設入所者との比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は居住場所別の生活行動の差異が要介護度変化に影響を与える可能性を検討するものであり、平成26年度もその基礎調査である行動観察調査を前年度に引き続き行った。調査は被験者1人についき9時から21時までの12時間の観察を行っている。現在までに施設入所者についての調査は終了したが、在宅居住者についての調査は自宅にカメラの設置等を依頼するため、被験者及び代諾者への交渉に時間を要する。現在までに全体調査の83%が終了しており、今年度の研究完了を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も高齢者の行動観察調査を継続して行う。在宅での調査協力者の獲得には困難を伴うが、関係諸機関への協力を求めると共に被験者本人及び代諾者へ充分な説明と同意を得、倫理規定に沿った研究を進める。今年度は研究期間延長により研究最終年度となるため、成果報告も進めていく。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施予定の調査が、被験者の確保が困難なことにより目標数実施できなかった。そのため謝金、人件費、旅費等の使用が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後調査を実施予定であり、今年度中に使用完了予定である。
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