2014 Fiscal Year Research-status Report
戦前日本の地域福祉の特質に関する基礎的研究―道府県統計書にみる救済構造―
Project/Area Number |
24530755
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
池本 美和子 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (90308932)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 社会事業 / 地域福祉 / 道府県統計 / 戦前期社会事業 / 道府県社会事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
大正期府県統計書(同志社人文科学研究所所蔵)の複写残分の50リールについては、複写を完了することができ、随時データ入力を進めた。25年12月から26年9月まで休職・療養中であり、複写等の作業は10月以降27年3月までの6か月間に集中して行ったが、体調が万全ではないこともあり明治期の府県統計書(本学所蔵)の250リールの複写は次年度へ回さざるを得なかった。昭和初期の府県統計データ保存のための作業(アルバイトによる)は、ほぼ3分の一の府県について完了しており、次年度も引き続き実施する。大正期におけるデータ入力から現在把握できる特徴は次の通りである。1.近畿以西の府県において釈放者保護事業の施設数が非常に多いこと、2.府県財政における特別会計の項目に社会事業関係の基金が数種類存在していること、3.社会事業に関する統計が恤救規則関連に限定され民間団体のデータがほとんど見られない府県があること、4.府県財政から市町村を経ずに直接社会事業等への補助が詳細に組まれているケースがあること、5.教育(公学費歳出の其の他の項目)分野で社会事業関連の項目が多様に存在していること などである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年9月までは休職・療養中であり、計画も10月以降の作業であることを想定したものであったが、復職後の体調が万全とはいえなかったことによる遅れが生じた。したがって大正期のマイクロフィルム複写は予定通り完了したが、明治期のマイクロフィルム複写には取り掛かれず、データ入力も含めて次年度へ回すことになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度については、本学所蔵の明治期府県統計書のマイクロフィルム複写を集中して進めると同時にデータ入力も随時行う。あわせて大正期の複写済みの資料のデータ入力を完了させ、分析を行う。昭和初期府県統計書については、国会図書館の近代デジタルライブラリーで公開されているデータの保存作業(アルバイト)を継続して進めながら、欠落している年度分について同志社今出川図書館所蔵のマイクロフィルム複写によって補充する。 平成28年度については、これまでの閲覧・複写の未達成分について継続実施し、データ入力と分析を進める。大正期の分析結果については学会報告を行うとともに明治~昭和初期の社会事業統計府県別基礎データの資料集を作成し配布する。
|
Causes of Carryover |
平成26年10月からの通常研究への復帰が万全とはいえず、明治期の府県統計書の複写(予算20万円分)が次年度送りとなったことによる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度については、既存の複写資料のデータ入力と本学所蔵明治期府県統計書マイクロフィルム230リールについて複写(230×40枚×20円 18.4万円)および昭和初期府県統計書のうち公開されていないものについて同志社今出川図書館所蔵マイクロフィルム複写(100リール×60枚×30円 18万円)をすすめる。そのほか、デジタルライブラリーで公開されている統計についてはデータ保存作業をアルバイトによって実施(人件費10万円)、作業に関わる消耗品、文献等の購入を予定している。
|