2012 Fiscal Year Research-status Report
地域でとりくむアクティヴシチズンシップ学習:仕組みづくり、プロセス、支援の専門性
Project/Area Number |
24530760
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
所 めぐみ 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (00411281)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アクティヴシチズンシップ / コミュニティワーク / 福祉教育 / 主体形成支援 / 市民性教育 / 地域福祉 / 国際情報交換 / イギリス |
Research Abstract |
本研究は英国における「地域を基盤としたアクティヴシチズンシップ学習」に関連した実践を研究対象とし、その背景、目的、成果と課題について明らかにするとともに、わが国における地域福祉の主体形成支援と地域を基盤とした福祉教育・ボランティア学習への示唆を得ることを目的として、(1)コミュニティニードに応じた学習プログラムを地域の参加と協働で展開できる仕組みづくりとそのプロセス、(2)住民ならびにコミュニティの学びのニードに応じた学習プログラムづくりとその展開の方法・技術の体系化と蓄積の方法、(3)これらを可能にする専門的支援の在り方を明らかにすることを目的とする。初年度である本年度は、ケース研究のための予備的調査を実施した。調査対象地域は①ロンドン,②エクセター,③ブライトンであり、当該地域で展開されたアクティヴシチズンシップ学習の実施・評価報告書等について収集・分析を行った。またロンドンでの当該事業担当者を対象としたインタビュー調査を実施(8月)し、事業実績に関わる資料、プログラム、記録等について蒐集・分析を行った。さらにソーシャルワーカー養成とコミュニティワーカー養成それぞれの課程を擁するダーラム大学にて、専門職養成教育についてのヒアリング調査の実施と今後の研究協力についての打ち合わせを進めた(8月、3月)。また国内学会でケース研究の成果の一部を発表した。研究成果の意義と重要性として、コミュニティニードに応じた学習プログラムの展開には、住民の関心を高め信頼を得ていくコミュニティワークのプロセスが重要であるとの認識が関係者にあることが明らかになったこと、日本での地域を基盤とした福祉教育におけるコミュニティワーク等の専門的支援のあり方、多様な関係者・団体らによるプラットフォーム型支援と実践にむけての政策や財源等の課題を含む示唆が得られたことがあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年間の研究の初年度である本年度は、詳細なケース研究実施の第一段階である事業報告書等の収集と分析、今後収集が必要な資料・データのリストアップを行うことができた。さらにフィールド調査(ヒアリング調査)の着手により、予定していた調査データの収集とともに、今後の研究推進方策の微調整が必要な課題等が明らかになり、今後の研究推進について調査フィールドの実情をふまえて現実的な計画の再検討が可能となった。また今後の研究に必要な研究協力者との関係づくりを進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(平成24年度)の調査(ヒアリング調査)を通じて、政権交代による政策変化、国の財政困難等による助成金等の削減や廃止による影響が、アクティヴシチズンシップ学習を展開してきたコミュニティ支援組織や、コミュニティにおける関係者協働のしくみと運営に、大きな影響(支援組織の解散を含む)を与えていることが明らかになった。そのため申請当初計画より早期にケース研究のフィールド調査を行い、地域におけるアクティヴシチズンシップ学習実施関係者自身による事業評価と、外的状況が変化している中での戦略や対応についてのヒアリング調査を先行実施することとする。平成25年度の1年間、学外研修の機会を得ることができたため、この機会を活用し、英国におけるフィールド調査の予定を前倒しして実施することで対応する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
英国でのフィールド調査日程調整の都合により、当初の予定よりフィールドワーク日程、ヒアリング人数、関連して謝金等に変更が生じた。 翌年度は英国でのフィールド調査、学会参加、学会発表、これらに伴う旅費、謝金等、図書・資料等を含む物品費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)