2012 Fiscal Year Research-status Report
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24530767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
才村 眞理 帝塚山大学, 心理学部, 教授 (50319919)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ライフストーリーワーク / ライフストーリーブック / 児童施設 / 生殖補助医療 |
Research Abstract |
1.児童施設の子ども達へのライフストーリーワークの実践方法を研究した。 児童施設職員における、ライフストーリーワークの考え方や必要性、その実践環境の現状について研究するため、7回の講演時にアンケート調査(265名)を実施した。児童相談所職員における、ライフストーリーワークの考え方や必要性、その実践環境の現状について研究するため、児童相談所職員との研究会を実施した。また、ブックを使用したライフストーリーワークのメリット、デメリット等、ブックの使用方法についてもまとめた。次に英国SACCS(Sexual Abuse Child Consultancy Services:治療的ライフストーリーワークの実施機関)の治療的ライフストーリーワークを学び、日本における実践の可能性について研究した。そのため、英国SACCSのライフストーリーワーカーを招へいし、日本の実情に合わせた、治療的ライフストーリーワークの実践方法について検討した。また、ライフストーリーワークに関する文献調査を行った。 2. 生殖補助医療(DC)により生まれた人(子ども)へのライフストーリーワークの実践方法を研究した。 生殖補助医療により子どもを持ちたい夫婦への真実告知準備のためのサポート方法について研究した。夫婦による生まれた子へのライフストーリーワークの理念による、真実告知の実践方法を研究した。実践方法の一つとして卵子提供で生まれた子どもへの告知の絵本を作成し、配布した。また、DC児にとって、作成したライフストーリーブックを使用して行うライフストーリーワークが有効かどうかについて研究した。研究方法として、当事者へライフストーリーブックを使用した、ライフストーリーワークを実施し、ナラティブにインタビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度については、児童施設の子ども達へのライフストーリーワークの実践方法の研究について、英国の治療的ライフストーリーワークについて学び、日本における治療的ライフストーリーワークの実践方法を構築する上での土台作りができた。また、生殖補助医療(DC)により生まれた人(子ども)へのライフストーリーワークの実践方法の研究については、生まれた人(子ども)へのライフストーリーブックを使用した、ライフストーリーワークについて、継続中であり、ナラティブにインタビューを実施しており、今後重ねて実施することにより、その効果が検証されることが予想される。また、卵子提供の告知のための絵本を作成することについて、当初平成26年度の計画であったが、卵子提供により生まれた親子をサポートする多くのカウンセラーの要望により、当初の予定よりも早急に作成することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.児童福祉施設の子ども達へのライフストーリーワークの実践方法を研究し及び具体的実践体制の構築に貢献する。 児童相談所職員、児童福祉施設職員における、ライフストーリーワークの考え方や必要性、その実践環境の課題等について、講演の際に随時、アンケート調査を実施し、実施できる環境設定について研究する。また、児童相談所職員(児童福祉司、児童心理司等)との研究会を実施し、平成23年度の文部科研成果冊子である「ライフストーリーワークをはじめるにあたって」の有効性について研究する。ライフストーリーワークのトレーニング・プログラムを構築し、印刷物とする。そのために、実践モデルの検討を行う。英国SACCS(前述)の治療的ライフストーリーワークを学んだ内容を実践する際のさまざまな障壁等を抽出し、日本における治療的ライフストーリーワークのより具体的な実践方法について研究するため、イギリスの治療機関を訪問し、現地調査を行う。同時に、ライフストーリーワークに関する文献調査を行う。 2. 生殖補助医療により生まれた人(子ども)へのライフストーリーワークの実践方法を研究する。 子どもを持ちたい夫婦への、真実告知を実行できるためのグループワークのプログラムを考案する。研究方法として、海外のグループワークを参考とする(日本には存在しない)ため海外調査を行う。夫婦の生まれた子へのライフストーリーワークとしての真実告知の実践方法を研究する。研究方法として、生殖補助医療分野のカウンセラー等へのインタビューを実施することにより、調査研究する。生殖補助医療で生まれた子ども(人)にとって、ライフストーリーブックを使用したライフストーリーワークが有効かどうか、研究する。この研究方法として、ライフストーリーブックを使用した、当事者へのライフストーリーワークを実施し、ナラティブにインタビューを行う。(3年間継続する)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・イギリスへの訪問調査 研究代表者 旅費350,000円、研究協力者 旅費350,000円 ・養子支援団体、不妊カウンセラー等へのインタビュー費用 30,000円(3000円×10人)、研究代表者 旅費 100,000円 ・学会(日本子ども虐待防止学会・長野県)発表 研究代表者 旅費等 60,000円、研究協力者 旅費等 60,000円 ・DC児へのインタビュー1回 東京までの旅費(山口県、大阪府)および 謝礼 100,000円、 研究代表者 旅費 40,000円 ・翻訳費用 110,000円
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