2013 Fiscal Year Research-status Report
環境・健康リスクの事例に基づく利害調整の手続きと結果の評価に関するゲーミング研究
Project/Area Number |
24530786
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 淳吉 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (70311719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (70214830)
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Keywords | 利害調整 / リスク / 環境 / 健康 / ゲーミング |
Research Abstract |
社会の構成員間で利害葛藤が生じる環境と健康の事例をもとにした課題について,これまで開発してきたゲーミングの改訂と組み合わせにより,それぞれに特有の課題をルール化し,ゲーミングによる実験を行った。第1に,大学教育場面における環境と健康に関するリスクコミュニケーションの課題では,「説得納得ゲーム」の改変を行い,健康と環境のトピックを組み合わせた実験を行い,説得と被説得が同じトピックの場合に関連する行動の意図が高まることを明らかにした。第2に,地球温暖化の国際間交渉に関する課題では,環境政策ゲーム「キープクール」に感情表明のツールを導入し,交渉における感情の顕在化が自己主張や交渉に対する肯定的評価につながり,それが目標達成の肯定的評価と関連することを明らかにした。第3に,交通政策における都市中心部へのアクセスに関する利害関係者の合意形成の課題では,利害調整ゲーム「ステークホルダーズ」をもとにドイツ・ノイス市における社会調査(広瀬ら, 2011)の結果を搭載したゲーミングを作成し,非当事者によるゲーミングを実施し,個々の住民の意見への注目による状況の理解と合意形成との関連を考察できる一方で,少数の意見を一般化して捉えやすいことを明らかにした。第4に,循環型社会づくりに関する市民会議の議事録をもとに,合意形成の討議および問題当事者による利害葛藤について「ステークホルダーズ」と意見分布推測ゲーム「クロスロード」によりそれぞれ表現し,非当事者による問題理解や新たな視点の付与が可能となることを確認した。 加えて,研究課題に関する市販されているゲームについても資料分析をすすめている。それをもとに,意見表出のスキルを学ぶプログラムや,相手の意見を引き出すスキルを学ぶプログラムといったツールも作成している。以上の資料分析,開発,評価の成果について書籍として出版するため執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた統合的なゲーミングによる実験はやや遅れているが,実験用として想定していたゲーミングそれぞれで実験を行い,当初の計画で予想していた以外の結果を得ることができ,研究遂行に必要なデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までの実績に対して当初の計画を改めて確認しながら,研究成果を統合的にまとめていく。
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[Journal Article] When Precaution Creates Misunderstandings: The Unintended2013
Author(s)
Wiedemann,P.M.,Schuetz,H.,Boerner,F,Clauberg,M.,Croft,R.,
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Journal Title
Risk Analysis
Volume: 33
Pages: 1788-1801
Peer Reviewed
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